第10話 幾つもの壁
新たな『壁』に澪は直面する。果たしてそれを乗り越えられるのか?
全日本大学駅伝東海地区選考会のエントリー締め切りの2週間前のミーティング。その時は、いつもの朝練メンバーしかいない。
「千石。この部の現状を教えてくれ。」
と、主将の佐伯が言うと、
「みんなごめん。実は、江藤さん達が部費の面目で飲み会代に使っちゃって、全部飛んじゃったんだ。だから、選考会にエントリー出来ないかもしれない。」
千石が言う。その時、ようやく先輩達が入ってきた。その中に、
「あ、1年生、あれが壁山教授だ。」
壁山が初めて姿を出した。少し小太りの初老といった感じだろうか。
その壁山が、
「えー、1年生はね、初めまして。壁山だ。まぁせいぜいね、怪我とかね、事故とかね、危険なことがね、無いようにね。安全にやってくれればn」
「はいありがとうございます。」
佐伯が止める。どうやら壁山は話が長いタイプのようだ。
「そして、上田からお願いします。」
ついに本題に入る。上田が提出したのは、全日本大学駅伝東海地区選考会の申込書だった。
「全日本大学駅伝東海地区選考会に出場しようと思います。」
「全日本大学駅伝?だから、そんなんでれる訳ねーって」
江藤がまた嘲笑う。壁山も
「学業優先だ。江藤、お前もだがね、成績の良くない者が多い部でね、そんなのは認めん。」
「上田、大体出たところで意味あんのか?」
今度は沼田だ。その沼田に、
「意味ないことはないです。絶対。」
澪が反論するが、広岡は
「森野、俺は記録会や地区駅伝に出るのは駅伝部だしいいと思う。だが現実を見てみろ。壁だ。」
と冷静に分析する。
「森野。そもそもこんな部で勝てる訳ねーだろ。」
江藤がいい、壁山は、
「予算も許可も出さない。君ね、こんなお遊びに時間や金を費やすのは駄目だ。今日でこの話は終わりだ。」
その言葉に澪は我慢ならなかった。
「お遊びだと?それはあんたらがサボってるからだろ?そして、こんな部にしてんのはあんたらだ。僕らは全力でやってんだよ!もういい、あんたらには用はない。俺たちで全部やる。」
そしてー
「壁をぶち壊す必要がありそうだな」
バガォォォォォン!
「……幾つもの壁の向こう側。そこには、今まで見たこともない、黒く、重く、そして熱い『希望』があった。」
いやー、流石に澪の感情が爆発しちゃいましたね。ところで、前回言ってた『超重要キャラ』ですが、最後の最後に出てきている、壁をぶち壊した人です。この人は、果たして一体何者なのか?第11話、投稿予定は1週間後です(笑)。すいません頻度遅くて。




