表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異形の美女と道連れとなって、神々の忘れ物を拾い集めます  作者: 星羽昴
Ep:癒やしの聖女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

96/130

【癒やしの聖女】第6話 忠告?布告?

 町長の家の前に、人相の悪い男が2人いた。一人はロングソードを腰に差しており、もう一人は褐色のローブを着ている。

 剣使いと魔法使いが、見張りに立っているのだろう。

 わたしとノアールが近づくと、剣使いはロングソードのグリップに手をかける。


「何だ、お前らは?」


 褐色のローブの男も、筒状の呪具をこちらに向けた。炎の弾を撃ち出す呪具だが、いきなり人に向けてくるのか。


「森の魔蝙蝠ワイバーンは、わたし達が狩ることになったのでね。領主様から派遣されたと言う冒険者に伝えに来たのさ」


「はあ?」


 二人は顔を見合わせてヘラヘラと笑った。


「あのバカでかい魔蝙蝠ワイバーンを、お前ら2人で退治するだと?」


魔蝙蝠ワイバーンの吐き出す炎に焼かれて、キレイな銀髪がチリチリになっちまうぜ」


 人相の悪い顔が、嫌らしく笑うから更に醜悪に見える。銀髪をキレイと褒めてくれた点だけは有り難いが……素直に礼を言いたくなるような連中ではないな。


「今日か明日には魔蝙蝠ワイバーンはいなくなる。アンタらは、もう用済みってわけさ。さっさと町から出て行きな」


 それだけ言うと、わたしは踵を返した。すると案の定、背中に下司な殺気が流れる。

 チラリと後ろを見ると、人相の悪い顔がロングソードを頭上に振り上げるところだ。一歩踏み込んで、剣先が振り下ろされる前に男の顔面に拳を叩き込んだ。


「……ぐぇ」


 蛙の鳴き声みたいな音を漏らして、男は仰向けに引っ繰り返った。見事にカウンターが決まったようで、男は気を失って動かなくなる。

 ローブの男が口元を歪める。筒状の呪具の狙う先が、わたしの足下から胴体に向く。


「用済みの冒険者は,町に留まる理由はないんだ。アンタらのリーダーに伝えておいておくれよ」


 同じ科白を繰り返してもう一度、踵を返して背中を向ける。背後には、魔法使いの殺気があるがそれも計算のうち。数歩の後、わたしの顔の横を熱風が通り過ぎた。

 ……2発目。

 ……3発目。

 3発目の熱風が通り過ぎたところで、小さく振り返った。魔法使いの顔が、口をあんぐりと開けて呆然としていた。



 7人の冒険者のうち、2人が「炎の呪具を使う」魔法使いだと聞いている。だから、土妖精ドワーフから貰ったサーコートを着てきたのだ。魔蝙蝠ワイバーンの炎の魔法すら弾くのだから、人の魔法が通じるはずがない。

 あの魔法使いと剣使いが、リーダーとやらに「炎の魔法が通じない冒険者が、魔蝙蝠ワイバーン退治に向かった」と伝えてくれるだろう。

 ならず者と言うのは、自分の面子にだけは敏感だ。これ見よがしの挑発を受けたら、わかりやすい反応をしてくれるはずだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ