【拾い集めるモノ】第23話 信用できる者
エロイーズと使用人達の一行を見送ってから、わたしはログールに「トレールの町の冒険者に連絡を取る」ことを依頼した。
イカサマ魔法使いは「トレールの町で、魔法の修行を始めた」と言っていた。トレールの町なら、一緒に仕事をしたのある『信用できる冒険者』がいる。事の成り行きを話せば、イカサマ魔法使いの素性を調べてくれるだろうし、力にもなってくれるかも知れない。ログールは「直ぐに連絡と取る」と約束してくれた。
それから、少し残念そうな表情でわたしを見る。
「エロイーズさんを信用してないのか?」
わたしは、エロイーズには「イカサマ魔法使いが『トレールの町で、魔法の修行を始めた』と言っていた」ことを伏せていた。
「エロイーズは信用できても、その師匠や辺境伯様が信用できるかは別だろう。もし、師匠たちがイカサマ魔法使いの側に付いたら、エロイーズは逆らえないさ」
「うむ……そうかも知れないな」
正直、エロイーズと一緒にヤクトの町へ行かなかった理由はそれだな。不肖の息子様は、辺境伯直属の騎士を従えて来ていたのだ。町に入った途端に、兵士に取り囲まれることだって考えられる。
ノアールがいるのだから、兵や騎士が100人いようが1000人いようが問題ではない。しかし、余計な死者は出さない方がいい。
第一、馬車に揺られての旅はごめんだ。わたしは、船酔い体質で揺れには弱いんだ。だから、海賊を落ちこぼれたんだぞ……は、自慢にはならないな。
ノアールは、機嫌がいい。仕立屋に依頼した服が、間もなく出来上がると言うことでウキウキしている。この分なら、今回「まともに餌にありつけてない」ことも気にしてなさそうだ。
ログールたちも、冒険者としての依頼をこなす仕事に戻っている。
街道に出没する魔狼や魔猪の討伐に「手を貸して欲しい」と頼まれたのだが、ノアールが行きたがらない。
「町を離れている間に、服が出来上がったらどうするんですか?」
いや、戻ってから取りに行けばいいと思うぞ……服も仕立屋も逃げないし。早く帰りたいのなら、空間を繋いで転移しても、翼を出して空を飛んできてもいいと思う。
わたしとしたら、旅費を稼げる機会なんだから稼いでおきたいし。
「仕立屋に服の代金を支払わないと、出来上がった服を渡して貰えないよ。服の代金を稼いでおこうよ」
服を渡して貰えない……の一言に、ノアールの目つきが変わる。
「はい。稼ぎに行きます!」
と言うわけで、ログールたちの仕事を手伝うことにする。




