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異形の美女と道連れとなって、神々の忘れ物を拾い集めます  作者: 星羽昴
Ep:拾い集めるモノ

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【拾い集めるモノ】第15話 スネート

 わたしとノアールそしてログールの三人は、直ぐにイカサマ魔法使いの元工房に向かう。捜査団の6頭立ての馬車が到着したのは、太陽が西に傾いてからだから結構な時間待たされたことになる。

 馬車から16歳くらいの少年と、それに続いてエロイーズが降りて来た。


「何処に行ってたのよ!」


 いきなりの甲高い声に、耳が痛くなる。


「スネートが到着したから、紹介するために貴女たちを呼びに行ったのよ。宿にいないから、町中を探し回ったのよ!」


 ああ、朝からログールと商人の別荘に行っていたからな。


「へえ。これが『拾い集めるモノ』とその相棒かい?」


 少年が、エロイーズを押し退けて近づいてきた。金糸の刺繍の入った紫色のローブを羽織った少年は、ノアールの足下から頭までを舐め回すように見る。ノアールの方は、少年には全く関心を示さず、馬車の方を見つけている。無視されているのに気付いた少年の顔が、不愉快の色に歪む。苛ついているのが直ぐにわかった。

 おそらく、この少年が「エロイーズの師匠の息子」でおとうと弟子になるスネートとやらなのだろう。姉弟揃って、顔に感情が出やすいようだ。


「捜査団のリーダーを務めるスネートよ。歳は若いけど魔法の腕と知識は一流だと、あたしが保証するわ」


 師匠の弟子なら身内みたいなものだろう。身内同士で褒め合っても、説得力は無いと思うぞ。

 ログールが、わたしの背中を軽くつついた。


「拾い集めるモノってなんだ?」


 当然の疑問だな。『拾い集めるモノ』のことは、ごく一部の魔法使いにだけ口伝で伝わっている知識だ。普通の人が知る知識ではないし、知らせて良いものかどうかもわたしは知らない。


「さあね。魔法使いの中で、そう言う役割があるんじゃないのかね」


 取り敢えず、わたしもトボケておく。


「中央の魔法使いで作った役職かなんかかね。田舎者には関係ないか」


 わたしのトボケを察したのか、ログールも聞き流してくれる。

 ……にしても、口伝でだけ伝える知識を不用意に口にしてしまう軽率さに少し呆れる。エロイーズも露骨に困った顔で、オドオドしているのが丸わかりだ。


「ノアールとラゲルナよ。それから、ナザレの町で冒険者のリーダーを務めているログール。ログールには、あたしもお世話になったわ」


「ふーん」


 紹介を受けたログールは、スネートとエロイーズの二人に対して深めに頭を下げる。しかし、不肖の息子はチラリとログールを見ただけで挨拶もせずに、視線をわたしの方へ向けてきた。当然、わたしにも挨拶はない。

 おい……マジで、躾がなってないぞ。

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