【拾い集めるモノ】第14話 捜査団の到着
わたしとノアールは、ログール達と一緒に大商人の別荘を訪れる。
イカサマ魔法使いは、この大商人に取り入って別荘の地下に研究室を作って貰っていた。わたしとノアールは、ここで子供の死体から造られた魔物に襲われた。ノアールが派手に暴れたために、別荘は半壊して四分の一くらいが陥没してしまっている。
「それは本当か?」
別荘の管理人を名乗る初老の男に「地下に埋まった子供の遺体を掘り出したい」と申し出たログールは、管理人の返事を問い質す。
数日前に、ヤクトの町から来た捜査団が「既に、子供の遺体を掘り出して持って行った」と言うのだ。
確かに、陥没した地下室の部分から土砂がどけられている。子供の遺体が置かれていた寝台や魔石が並んでいた祭壇のような机には何も置かれていない。
「先に、ここに来たってことは……捜査団は、カルロの足取りも追いかけているってことだな」
イカサマ魔法使いは、あちこちに自身の売り込みの手紙を送っていたのだ。辺境伯やその相談役の耳に入っていてもおかしくはないな。
「捜査団のやることには関わらないつもりだったが……仕方がないな。不肖の息子とやらと、子供達の遺体を返して貰う交渉をしないといけなくなった」
おそらく、捜査団はナザレの町に到着しているはずだった。ログールは、半分呆れたような表情で、ナザレの町へ帰ることを決める。
予想通り、ナザレの町に捜査団は到着していた。
……しかし、捜査団と言うには全く異質な集団だった。
六頭立ての大きな馬車を、着飾った騎士五人が取り囲むように護衛している。更に、二頭立て馬車が四台と馬に乗った一般兵十人が追従している。まるで地方領主の遊行だ。
ナザレの冒険者だと言っても、捜査団のリーダーには取り次いで貰えなかった。エロイーズもどこにいるのかわからず、連絡を取る術がない。
「これより、その魔法使いの工房へ向かう。現地にて、お前達にも確認することがあるから、その時を待つように!」
偉そうにしている騎士から、そう言われた。鎖帷子の上から辺境伯の紋が入ったサーコートを身に付けているから、辺境伯直属の騎士なのだろう。
ログールの仲間が、後方の二頭立て馬車の荷台に棺が積まれているのに気付いた。あの棺の中に、子供の遺体があるのかも知れない。
「棺に入れて、この町まで運んでくれたのなら、感謝しないとならないな」
ログールは、イカサマ魔法使いの小屋に行ってリーダーと話をつけると言う。わたしの方も乗りかかった船と言うことで、ついて行くことにする。




