表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異形の美女と道連れとなって、神々の忘れ物を拾い集めます  作者: 星羽昴
Ep:拾い集めるモノ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

63/126

【拾い集めるモノ】第13話 師匠の息子

「エロイーズさんのお師匠の容態は、大丈夫なのか?」


 ログールは、倒れたと言う師匠のことをエロイーズに確認した。


「え? ええ、大丈夫みたい。手紙は、お師匠様の字で『行けなくなった』ことを謝罪する内容だったから。自分で、手紙を書けるくらいには回復したと思うわ」


「そうか、それは良かったな」


「ありがと……」


 ログールの気遣いに、エロイーズが礼はぎこちなく頭を下げる。意外な気遣いだったらしく、エロイーズは困惑と同時に恐縮してしまったようだ。



 顔を上げてから、エロイーズは少し息を詰まらせた。師匠のことを思い出して、改めて心配は込み上げてきたのかも知れない。


「スネートは、お師匠様の一人息子なのよ。でも、お師匠様は自分の後継者としては認めてないの」


 エロイーズにとってはおとうと弟子となるらしい。

 その、姉弟子のエロイーズが、更に「師匠の息子」であるにも関わらず「大変だ」と大騒ぎするような人物と言うことらしい。


「魔法使いとしての才能はズバ抜けているのは間違いないわ。もう、あたしよりずっと高度な技や術を身に付けてるかも知れない。でも、何と言うか……スゴく我が儘なのよ」


 エロイーズが我が儘と言うなら、相当だろうな。立派な魔法使いの息子と言うことで、周囲からチヤホヤされて天狗になってしまったのか。


「お師匠様の工房には、古の呪具や呪符も沢山あるの。スネートは、それも上手に使いこなすわ。魔法の才能を鼻にかける面もあるにはあったけど……本当の意味で解明できていない古の魔法を『使い方を知っている』だけで、さも自分の力のようにひけらかしたり……」


 どこかのイカサマ魔法使いと『友だち』になれそうだと思ってしまった。


「魔法使いが『人を助けるため』に魔法の腕を磨くのを、古くさい因習と馬鹿にしたりして……お師匠様といつも衝突してたわ」


 師匠の方は、まともな人らしいな。魔法は上手だが、子育てが下手だったと言うわけか。


「エロイーズさんの師匠と言えば、辺境伯様の相談役でもある。ヤクトの町、いやフェアトレー辺境伯領で一番の魔法使いだ。そのご子息とあっては、周囲の者も諫めるのは難しかったか」


 ログールの指摘に、エロイーズが肩をすくめる。師匠の息子だから……と甘やかしてしまった自覚はあるようだ。



 要するに。

 正義感や道徳心で、動くような人物ではない……と言うことだ。

 そんな人物が、自分から志願して乗り込んでくるのは「何かしらの旨味」の匂いを嗅ぎ取ったからと考えるのが自然だな。

 捜査団を当てにせず動いたのは、正解だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ