【拾い集めるモノ】第5話 再会?いや苦行だ
ヤクトの町から捜査官が到着するのに3日から5日と言われた。かなり間がある。
ログールが集めた冒険者は10人になった。わたしとノアールを含めると12人で、3人ずつ4組に分かれて交代で小屋を見張ることにする。
「お久しぶりね、ラゲルナ。そちらはノアールだったわよね」
この、異様に甲高い声は忘れようにも忘れ難い。フェルトの町で知り合ったエロイーズと言う女魔法使いだ。エロイーズが所属する『ヤクトの剣』と言う冒険者パーティは、フェルトの町で魔物狩りを請け負っているはずではなかったか。
「よろしくね。また一緒に仕事ができて光栄だわ」
事情はともかく、エロイーズも小屋の見張り役に参加すると言う。それで「女同士の方が気兼ねがないだろう」とのログールの配慮から、3人で組まされることになった。
いや……ガラスを引っ掻くような甲高い声を耳元で聴かされるのは、わたしに取っては苦行だぞ。
ヤクトの町から来る捜査官と言うのは、エロイーズの知り合いらしい。それで、捜査官の補佐役を兼ねるエロイーズが先乗りして来たと言う。
町の飯屋を借り切って、12人で打ち合わせを行うことにする。酒と食い物はログールの奢りと言うことで、最初は賑やかに始まった。しかし。
「おいおい。そんな大それた悪党だったのかよ?」
件のイカサマ魔法使いは、この町では「子供を誘拐した」嫌疑で目を付けられていたのだが、実際はそんなモノではなかった。
「魔物使いの術も身に付けていてね。『子供の死体を依代』にした魔物を造っていたんだよ。誘拐された子供たちはもうこの世にはいないよ」
おぞましい話に、ログール達は顔を伏せる。この町の子供たちだったのだから、見知った者もいるに違いない。
12人は、皆言葉を失ってしまい、打ち合わせは手短に終わった。
打ち合わせを解散してから、ログールに声を掛けられた。
「子供たちの遺体は、何とか回収できないだろうか? せめて、この町の墓に入れてやりたいんだ」
イカサマ魔法使いは、金持ちの商人に気に入られていた。その別荘の地下室で、魔法の実検をやっていて、子供の遺体はそこにあるはずだと伝える。
「わたしとこの娘が暴れちゃったから、地下室は半分以上が土に埋まってしまっているけどね」
「有り難う。絶対に、あの金持ち商人と話をつけて、子供の遺体を回収する!」
ログールは、また深く頭を下げてから去って行った。冒険者には珍しい、本当に実直で律儀な男だと思う。
ふと、背後に視線を感じた。エロイーズが、わたしの方を見ているようだ。




