表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異形の美女と道連れとなって、神々の忘れ物を拾い集めます  作者: 星羽昴
Ep:狙われたノアール

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/126

【狙われたノアール】第15話 天空の月

 ドタバタとした騒々しい足音がお屋敷の廊下に響いた。逃げた小間使い達の報告を受けて、警備を任せられた戦士が、集まってきたようだ。


「何だって?」


 現れたのは褐色のローブを着込んだ魔法使い風の男たちだ。皆、筒状の呪具を持っている。対魔物の警備兵を用意したのか。


「凄いね。どうあっても、ノアールを捕まえたいらしいよ」


「迷惑です」


 黒のローブを脱いで裸になったノアールは、両腕を緩く広げた。ノアールの足元から光の粒が湯気のように舞い上がり、わたしとノアールを包み込む。


「右手がないので、ラゲルナ様を抱えられません。しっかり、わたしに掴まっていて下さいね」


「ああ」


 わたしがノアールの首に両手を回すと、ノアールの左腕がわたしの腰を抱きかかえる。

 破裂音が聞こえるのは、呪具で炎の弾を連射しているのだろう。それは全て光の粒の流れで弾かれている。



 ノアールの背に、白と黒の翼が具現化した。


「勢いをつけたいので、一度上に飛び上がります」


「……え?」


 次の瞬間、わたしの視界が暗くなる。脚に重しがあるかのように重くなって、無理矢理に身体を引きずられる。

 ……バリッバリッバリッ

 ……バリッバリッバリッ

 耳元で木材や石材が砕ける音が響いて、数瞬の後には、一面の暗さの中に丸い薄明かりが見える。

 それを、天空の月だと気付くのに、更に数瞬の間がかかった。


「……」


 下に見えているのがお屋敷なのだろう。屋根に大穴が開いている。その大穴から、青白い炎の筋がのびるのは、炎の呪具でノアールを狙っているからか。

 しかし、この高さにまでは炎の弾は届かない。ノアールは、あの連中を全く相手にしていない。


「では、行きます!」


「好きにしておくれ!」


 光の粒が渦を巻いて、その明るさで視界が完全に閉じられた。

 ……バリッバリッバリッ

 ……バリッバリッバリッ

 再び耳元に響く破壊音。

 ……ガラガラガラ

 ……ガラガラガラ

 眩い光の粒が失せると、そこは足元に瓦礫が散らばる石壁で囲まれた部屋だった。埃と、何か据えた臭いがする陰湿で薄暗い部屋だ。

 3つの寝台が並んでいて、その向こうに緋色のローブを着た男がいた。

 フードで顔を覆っているので、目元は見えないが、口をパクパクさせているのはわかった。


「……な……お……!」


 何か言いたいのだろうが、言葉にできないくらいに驚かされたか。

 まあ、要件はわかっているだろうから確認する必要はないな。


「選択肢は2つだ。大人しく右手を返すか、痛い思いをしてから返すか。さあ、どっちだい?」


 もっとも、それだけで許すつもりは全くない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ