表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異形の美女と道連れとなって、神々の忘れ物を拾い集めます  作者: 星羽昴
Ep:狙われたノアール

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/126

【狙われたノアール】第11話 人型の魔物

 抜き身の海賊の剣(ヴァイキングソード)を握り、自分の背中をノアールの背中に重ねる。

 ノアールは無敵だし気配で「何か」を察知できるだろうが、わたしは後ろが見えない(・・・・・・・)普通の人間だ。わたしの後ろは、ノアールの目で見て貰おう。



 数刻、そのままの体勢が続いた。

 確かに風の流れが違う気がする。窓は閉じられているから、風は外から入ってこない。なのに、部屋の中では微かに風が流れている。

 いつの間にか、白いもやが薄く部屋に広がっていた。


「どうやら、お出ましのようですね」


 白い靄が濃くなり、それがある方向へ流れ出す。靄は、ノアールの正面で渦を巻いて、人の背丈と同じくらいの塊になった。

 わたしはノアールの横に立って、海賊の剣(ヴァイキングソード)に両手を添える。

 白い塊は、二本の足で立ち、二本の腕を広げて人の形になる。輪郭がくっきりとした分、少し背丈が縮んで子供くらいの大きさになった。


「何だろうね、あれは?」


「さあ? わかりません」


 まあ……ノアールには何を問うても、概ね「さあ?」なのだが。

 カルロが使役する魔物に違いないだろうが、魔狼ワーウルフ魔猪パイアの類いではなさそうだ。

 ノアールが黒いローブの前をはだいて両手を広げた。裸身にローブを羽織っているだけだから、乳房や腹部や腰が露わになる。

 ノアールは女の身体をしているが、人外の存在である。横に突き出した右手は、猛禽類の如き鉤爪だし、左脚には蛇の頭を持つ4本の触手が巻き付いている。

 ローブの中から解き放たれた蛇は、鎌首を擡げて「人型の魔物」に牙を向ける。



 人型の魔物は、その両手をかざしたように見えた。すると、その掌部分から光の刃が伸びる。


「あら?」


 真っ直ぐに伸びた光の刃は、ノアールの右脚を膝の上あたりで切断した。右脚を失ったノアールは、暢気な声をあげながら尻餅をついてへたり込む。

 しかし、既に反撃は始まっていた。ノアールの左脚の蛇も、光の刃を掻い潜って人型の魔物に伸びる。蛇は、床を這い人型の魔物の足下に絡みつき、牙を立てる。

 蛇に噛み砕かれた魔物の脚部が黒い砂になって崩れ落ちると、魔物はのた打つように藻掻き始めた。

 その間に、ノアールは切断された右脚を拾い上げてくっ付けていた。流れ出た血が右脚にこびり付いてはいるが、ノアールは何事もなかったように立ち上がる。


「とても濃い魔ですね」


 蛇を通して、人型の魔物を喰らったノアールが感想を漏らす。



 黒い砂になって脚を失った人型の魔物は、残る腰から上が白い靄に戻って再び部屋に広がった。そして、今度は二つの塊がノアールの前に現れる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ