表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異形の美女と道連れとなって、神々の忘れ物を拾い集めます  作者: 星羽昴
Ep:最強の戦士

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/127

【最強の戦士】第9話 魔蝙蝠

 この町の冒険者ギルドは、教会の一部を借りている。受付になっているのは備蓄庫だ。少し前に廃村寸前までになったフェルトの町には大した収穫もないから教会の備蓄庫も空だったわけである。

 そこから、礼拝堂に案内された。小さな礼拝堂には3人の男たちが待っていて、それは町長と教会の神官、そしてヤクトの剣のリーダーであるブローガルだった。

 町の顔役クラスが揃った中で、ブローガルが片足を引き摺りながら前に出た。


「俺が事情を説明する」


 受付の女職員が椅子をブローガルに持って来た。ブローガルは「申し訳ないが、椅子に座らせてくれ」とわたしに頭を下げた。わたしが負わせた傷だから仕方ないか。


「森に魔蝙蝠ワイバーンがいる」


 ブローガルの口にした名称は、空を飛ぶ魔物で、陸の魔狼ワーウルフ魔牛ミノタウロスとは別の面倒さがある。町長と神官、それにギルド長は頷いた。

 わたしの隣では、ノアールが《《舌舐めずり》》をして身を乗り出す。


「町長によれば、魔蝙蝠ワイバーンに襲われたと思われる事件は少し前からあったそうだ。目撃した者の話もな。だが、当面は群れで人を襲う魔狼ワーウルフが問題だった」


 魔狼ワーウルフの群れのリーダーを討伐できたから、次は魔蝙蝠ワイバーンと言うわけか。


「町長からは、魔狼ワーウルフ狩りと共に魔蝙蝠ワイバーン狩りもヤクトの剣に依頼されていた仕事だ。魔狼ワーウルフ狩りが一区切りしたので、我々は魔蝙蝠ワイバーン狩りに専念するつもりだった。そこへギルド長から、ラゲルナ殿を推薦されたのだ」


 ギルド長が頷いた。


「ラゲルナ殿は、トレールの町で魔鯰ばけナマズと言う強力な魔物退治をしたと言う。それなら魔蝙蝠ワイバーン退治にも貴重な戦力になるのではないか、とギルド長は仰った」


 ノアールが喰らいたいと言い出したからな。水の魔物だったから、泳げないわたしには辛い仕事だった。喰らいたいと言い出したノアールも、実は泳げなかったから溺れたし。


「しかし、俺も含めてヤクトの剣のメンバーは、ラゲルナ殿を知らないし、魔鯰ばけナマズと言う魔物も知らない。弱小なギルドで噂に尾ひれが付いただけではないか……と疑う者もいた。それで、ラゲルナ殿の実力を試すことになったのだ」


 町長が視線を泳がせている。わたし達の実力を疑ったのはヤクトの剣のメンバー《《だけ》》ではなさそうだな。


「ラゲルナ殿と女魔法使いのノアール殿の実力は、本物だ。ヤクトの剣のリーダーとして、保証する」


 ブローガルは話を区切ると、町長へ視線を移した。町長は一歩前に出て、咳払いをする。


「ラゲルナさん、魔蝙蝠ワイバーン退治を引き受けて貰えないか?」


 わたしはこの町では、もう仕事をしたくない……なのに。

 隣で、舌舐めずりをしている《《奴》》がいるのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ