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異形の美女と道連れとなって、神々の忘れ物を拾い集めます  作者: 星羽昴
Ep:深淵の呪術

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【深淵の呪術】第16話 打ち合わせ?

 ファルジの町を出て、森との分岐点にある看板の辺りでノアールに確認してみる。


「景色の見え方は、どうだい?」


「町を出てからは、普通の見え方に戻りました。今は全く大丈夫です」


 ノアールが本調子に戻ったなら、何があっても概ね大丈夫だな。


「ノアール、言っておくよ。もしも、森に入ってから何かあったら……取り敢えず、死んだ真似をして姿を隠すんだ。そして、誰の目にも触れないようにして、裏からわたしを支援しておくれ」


「……支援ですか? 何をすれば、いいのでしょうか」


 面倒くさがりで力任せなノアールに、目立たない裏方を要請するのは無理な気がしてきた。


「わたしが、魔物を誘き出す囮役をするからね。魔物に警戒されないように、ノアールは早めに姿を隠しておくんだよ」


 こう言えば、いつもの餌探しと同じだな。


「けど、今回は探索パーティのメンバーたちの目があるんだ。できるだけ疑われないように隠れたいから、死んだ真似をするのがいいよ」


「はい。わかりました」


 これで、ノアールとの打ち合わせは終わりだ。森に向かう緩い傾斜を下って、柵を設置している東の入口へ向かう。



 ファルージュの森の東の入口では、昨日の衛兵が今日も警備の任に就いていた。


「また、お前たちか」


 性懲りもなくまた来やがって……と言う憤慨の籠もった双眸で、近づいて来る。ギルド長から「今日の午後の探索パーティに入れて貰った」と伝えても、全く信用してくれなかった。


「ギルド長のガリアラスは、私情で便宜を図るような奴じゃあないぞ。シャルロットを助けたのが本当だとしても、それで余所者をいきなり探索パーティにねじ込むはずがない」


 ほう? あのギルド長は、結構頭の固い人物らしいな。


「ここで探索パーティと合流する約束なんだよ。リーダーのマドックとやらが、わたしとこの娘の許可証を預かってくるはずだ。森に入らないで、待つ分には構わないだろう」


 森に入らないで待つだけ……と言うことに、衛兵もやっと頷いてくれた。


「ふむ。まあ、いいだろう。マドックが到着すれば、ハッキリすることだ」


 そう言うと、衛兵は柵の脇に立てられた小屋に戻るとワインの入った瓶を持って出てきた。


「隣町の葡萄で作ったワインだ。新酒のうちは特に美味い。昨日、町中で出現した魔狼ワーウルフを守備隊が到着するまで足止めしてくれた冒険者がいた話は聞いてる。町を守る者として礼を言う」


 有り難いが、わたしは酒は飲まない。「これから仕事だからね」と言って、そのワインは遠慮した。


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