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異形の美女と道連れとなって、神々の忘れ物を拾い集めます  作者: 星羽昴
Ep:最強の戦士

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【最強の戦士】第2話 ギルドでの伝言

 翌日。

 夕方頃に冒険者ギルドが置かれている教会へ出向いた。少し前に廃墟になりそうだったフェルトの町には、人が集まれるような場所は多くない。教会が、好意で一部分を使わせてくれている。

 昨日は「群れのリーダー退治」の祝勝会で盛り上がったので、その仕事料の支払いは後回しにされたのだ。

 今日は、それを取りに来たのだが……。


「ラゲルナ様ですよね。『ヤクトのつるぎ』のリーダー様から、会って話をしたいと伝言を預かりました」


「……ヤクトの剣?」


 昨日の魔狼ワーウルフ征伐に参加していた冒険者パーティだったかな。女の魔法使いが混じっている珍しいグループだった気がする。

 ……昨日、何かしたっけ?

 わたしとノアールは森の端の方で、雑魚みたいな魔狼ワーウルフ魔猪パイアを狩っていただけだ。ノアールが魔物を喰らうところを見られたら面倒だから、周囲に誰もいないのを確認していたつもりだったが。


「何の話かもわからない面談は遠慮しとくよ。明日の朝には町を出るつもりだから、報酬だけさっさと出しておくれ」


 何やらオドオドしているギルドの女職員をせかしたが、何故か報酬を払って貰えない。仕方なく出直すことにして宿へ戻る。

 多少は手持ちの金があるのと宿代は前払いしてある。寝泊まりの心配ないのだが、何やら嫌な予感がしてきた。

 最悪、報酬を諦めてさっさと町を出よう。



 宿の部屋に戻ると、ノアールはさっさと黒のローブを脱いで裸になった。既に日も落ちているから眠ってもいい時間だ。

 ノアールの容姿は、黒い髪と白い肌の美人だし、その身体も丸みのある女性のものだ。しかし、右手は猛禽類のような鉤爪となっていて、左脚には蛇の頭を持つ触手が巻き付いている。

 左脚からほどけた蛇は、4体の鎌首をノアールの頭の高さにもたげた。

 裸の身体を毛布に包むと、ノアールは部屋の壁を背にして床に座り込む。


「寝台で寝ないのかい?」


「この方が落ち着きます」


 ノアールはいつも床に座って眠る。毛布の中で立てた右脚を両腕で抱え、そこに顔を埋めるようにして動かなくなった。

 左脚だけを毛布から出して伸ばしており、その左脚から4体の蛇の頭が周囲を警戒するように広がる。蛇は、眠りについた無防備な主人を守るかのように冷たい目を一晩中光らせている。



 ノアールは人外ではあるが性格は良い。素直で従順だし、気配りもできる。多少の感覚のズレがあるが、わたしはノアールに対して不満は全くない。

 ただ……闇の中に光る8つの蛇の目に慣れるのは無理そうな気がする。

 ほんの少し覚悟を決めて、わたしも寝台で横になった。

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