表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異形の美女と道連れとなって、神々の忘れ物を拾い集めます  作者: 星羽昴
Ep:癒やしの聖女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

103/130

【癒やしの聖女】第13話 助けておくれ!

 魔蝙蝠ワイバーンの爪が地上に届く寸前に、ノアールが転移で現れる。ノアールの右の鉤爪が、魔蝙蝠ワイバーンの背中に穴を穿った。

 ギィイ!

 ギィイ!

 やたらと甲高い魔蝙蝠ワイバーンの悲鳴が、周囲に響く。空へ逃れようとする魔蝙蝠ワイバーンの右脚が、鉤爪に鷲掴みされた。

 改めて見ると、身の丈はノアールの倍くらいだ。広げた翼は、大人5人が手を広げて並ぶくらいの横幅がある。

 バサバサと翼を大きく震わせ、藻掻きながらもノアールごとジリジリと上昇している。ノアールの両足が地面から離れそうになる刹那、草群の景色が真横にズレて発光した。

 ……ギャア……ギャア

 ……ギャア……ギャア

 魔蝙蝠ワイバーンの胴体が、腰の辺りで真っ二つに切断された。腰から上の上半身がドサリと地面に落ちる際には、草くらがグラリと揺れた気がする。

 ノアールは、右腕を高く上げて魔蝙蝠ワイバーンの下半身を逆さに持ち上げていた。

 ノアールの左手が、黒のローブの前をはだいて左脚を露出する。左脚の蛇たちが、一斉に魔蝙蝠ワイバーンの下半身に喰らい付いた。

 蛇に喰われ、黒い砂を吹き出しなら消えてゆく魔蝙蝠ワイバーン……それを眺めるノアールは、満足そうに上唇を舐め上げる。



 ……ギャア……ギャア

 ……ギャア……ギャア

 あれ? 心なしか、魔蝙蝠ワイバーンの呻き声が、さっきより大きくなった気がする。刹那、わたしの肩口を熱風が吹いた。


「え? えぇ!」


 下半身を失い上半身だけになった魔蝙蝠ワイバーンが、翼の爪で地面を這って、わたしの方へ向かっているのだ。大きく開いた口は、間違いなくわたしの正面にある。


「な……なんで、こっちに来るんだよ!」


 苦し紛れか、滅茶苦茶に炎の弾を吐き出している。土妖精ドワーフから貰ったサーコートを着ているから、軌道が捻じ曲げられて直撃されずに済んでいるだけだ。こんなの、躱しようがない!

 ……ギャア……ギャア

 ……ギャア……ギャア

 魔蝙蝠ワイバーンは、地面を這って更にわたしとの距離を詰めてくる。

 海賊の剣(ヴァイキングソード)に両手を添えて、一気に地面を蹴って魔蝙蝠ワイバーンの左肩口に斬り掛かる。


「し、しまったぁ!」


 逃げれば良かったのに、条件反射で身体が動いてしまったのだ。海賊の剣(ヴァイキングソード)は、魔蝙蝠ワイバーンの左肩から胸の中程までを斬り裂いた。相手が人であれば心臓を真っ二つにしているはず……しかし、この相手は魔物だ。最初から心臓が動いてない!

 鉄に触れた傷から黒い砂が噴き出す。それでも魔蝙蝠ワイバーンは、翼の爪でわたしの海賊の剣(ヴァイキングソード)を握った。逃がさないつもりか?

 魔蝙蝠ワイバーンの頭は、ちょうどわたしの鼻先にある。その大きな頭にある口が開かれる。

 おい!

 このまま炎の弾を吐かれたら、わたしも頭でくらう羽目になるぞ!


「ノアール! 助けておくれ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ