あなたのものじゃない
しろかえでですが“黒い”です(^^;)
枕とシーツの間に潜り込んだコーラルピンクのウェイビーヘア
ティッシュペーパーで挟んで摘まみ上げ、そのままゴミ箱に捨てた。
「丸ごと洗わなきゃ!」
もう昼過ぎだが、焼ける様な陽射しだ。何とかなるだろう。
夜勤明けの体に鞭打って、大物の洗濯に取り掛かる。
そう!
ドアを開けた瞬間から分かってはいたんだ……
蒸されて露わになった生殖臭が鼻を突いたから……
『生殖臭』
今、頭に浮かんだ、この言葉
ヒットし過ぎて吹き出した。
カラカラに乾いた笑いとジリジリに焼き付く嫉妬が同時に湧き上がって来る。
なのに……憎しみが湧かないのが
始末に悪い。
あの子は今日帰ってくるのかしら?
帰って来るのならほんの少しの当てつけで……洗濯したばかりのシーツでお迎えしてあげるけど……
“ゼミの飲み会”と称する合コンならば、虚しい独り相撲になりそうだ。
けどそれは……
カレがアパートに帰れなくなって、“ここ”に匿う事にした時から覚悟はしていたから……
いいの!何も言わない。
『“害虫を飼う”……そのこと自体が害毒』って言うオンナも居るけど……
ふふ
アブラムシの味を知らない“働くだけの”アリさんなのね
かわいそうに
言っちゃ悪いけど、“ジャニ”や“推し活”より
息づくカラダは美味しいわ!
ココロはこんな風に
“ウルトラ洗濯機”程に攪拌されるけど
そのおかげで
いつかは儚く消える宝物……
カレの彫刻の様な肢体を
光を湛えて潤む瞳を
ふんわりと溶けるようなくちびるを
愛で……触れ……口づけて……
この胸に抱き“しとね”にする事ができる……
そう!
息ができない程の情欲の海の中で叫び、その水面を割って息を継いだ時
幸せという空気を胸いっぱいに吸い込むの!
そうよ!私はあなたのものじゃない!!
あなたが私のものなのよ!
あなたが私のものだから
私があなたに嚙ませている
轡を引く手綱を緩めるの
こんなふうに
あなた自身と
あなたとの時が
もっと熟成されるように
だから、嫉妬のスパイスは
指でチリッ!と絞る位で充分!
でないとせっかくの薫りを
壊してしまうから……
ふう……
2017年のボルドーが空いたわ
独りのワインはかくも飽きが早い。
ああ!!早く戻っておいで!
私の“あなた”
でないと、あなたが食い散らかしてしまいそうな“粉吹き果実”達をザックリ刈り取って
真紅の新酒にしてしまうから。
世の中には、斯様にかわいい男の子が居たりします。
世の男共が、“娘”を囲いたくなる様に
オンナもその胸を打ち抜かれてしまう!!
そんな子が……(*´﹃`*)