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なろうで真の最強を目指し続けた作者のエッセイ

私はなろうに登録して9年くらいになります。

もとから本を読むのが大好きで毎日のように書いたり読んだりしていたのですが、大学生のある日のこと、このサイトの存在を知りました。


「なろうという最大級の小説投稿サイトがある――」


興味を持った私が知り合いに訊ねてみますと「なろうは戦場」「なろうは地獄」という答えが返ってきました。

それを聞いて「面白い」と思ったんですね。

なろうは野球でいうメジャーリーグのような場所で未知の強豪がたくさんいて、互いに切磋琢磨できるかもしれない――

それからなろうでの執筆を開始しました。

それからしばらく連載をしていたある日、私は気づいてしまったのです!


「本当に報われるべき作者が報われていない!」と。


なろうには私より何倍も優れた書き手さんがおり、私の目から見て「この作品、文章も内容も素晴らしい。この作品が書籍化したら絶対に受ける!」という方が何人かいます。

いわゆる王道の作品と言いますか、流行にとらわれず王道を突き進む作風ですね。

逆境に負けず、弱気を助け、強き者に立ち向かい、愛する人のために戦う――そういう作品を私は何より愛します。

ところが、そういう作品のPVやブックマークが思った以上に伸びていないのです。

これはおかしい。古今東西、王道の作品は読者の心を打ち、支持されるはず。

なのになぜ、これほどまでに評価が低いのか。文章力、構成も申し分ないのに――

疑問を抱いていますと、なろうではいわゆる「異世界転生チート系」というジャンルが覇権を握っていることを知りました。


恵まれない主人公が異世界転生をして自分より弱い相手と戦い、生前満たされぬ欲望を満たす一定の読み手にとっては痛快なジャンル――

まあ、都合の良い能力を手に入れて主人公と自分を重ね合わせて楽しむという読書の仕方は昔からあるので、それは気にしなかったのです。

私がどうしても納得できなかったのは「自分より弱い相手に無双する」という一点でした。

弱い相手と戦って何が楽しい!?

戦闘は昔から強い相手と戦い、相手の能力を引き出し、そのうえで倒すのが王道だろう!

それを自分より弱い相手と戦い最強などと名乗るとは何事か!!

本当に最強を名乗るならば――心技体、すべてにおいて認められなければならぬ。

そのどれかひとつが欠けても最強とは言えぬ。

最強というのは自分ではなく他人から認められ始めて名乗ることができる。

この信念の元、私はなろうで真の最強を目指すことにしました。

強きを挫き、弱きを助ける王道の私の作品が総合1位になれれば、王道を書いている他の作者さんたちにも光があたり、流行に乗ることがない王道の作品が支持される日が来るかもしれない――

しかし、なろうとは真逆の作風スタイルの私が1位を取るのはあまりにも無謀なことでした。

私は何度も敗れ――自分なりに対策を練り、それでも自分の作風を変えるには至らず――何度も挑戦を続け――気づいたら9年が経過していました。

そして、私がしばらくなろうを離れ、別の場所で研鑽を積んでいる間に、流行ジャンルが異世界恋愛に変わったというのです!

流れが変わった!流行が変わった!

私の戦いは傍から見れば無謀で愚かで孤独で無力で小さな戦いだったのかもしれません。

けれど、戦い続けたことは決して無駄ではなかったと思いました。

これで、ひとりでも多くの読者が王道の作品の面白さや良さを再確認する日が来たら、

私としてこれほど嬉しいことはありません。


おわり。

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