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4/4

4話

馬は絵とか写真で見たことがあるよく知っている馬だった、アーリは魔法がある異世界だと思って期待半分警戒半分で色々見ているが、ファンタジーな生き物や、魔法を使った不思議なものにいまだ出会っていない。


魔法がある異世界でも月も一つだし、生き物も一緒なんだな。

何なら今の自分自身が一番ファンタジーな存在ではあるんだけど・・・


馬車での移動は三日、二泊して三日目の日中には着くそうで、野宿などはしないでキチンと宿に泊まるらしい。


正直野宿は少しだけ興味があったので残念、一度で懲りるかもしれないけど。

馬車は御者台は詰めれば3人座れそうだし、荷台に6人ならまぁそこまで窮屈じゃなさそうだと思ってた。


石像が入った木箱にはみっしりと木くずを入れたのに満足せず、荷台いっぱいに藁を詰めてその中に木箱をロープで馬車に固定していた。


兵士たち以外は全員ついてくるようだし、厳重に梱包された石像のせいで人も乗れない馬車で9人もどうするのかと思えば、セサルとエドモンドがそれぞれ馬に乗って、他は交代で乗る御者役と私以外は歩きらしい。

初日は一番距離があるし、道も悪いしで途中で休みながら10時間ほどかかるのだとか、それで人も乗せたら馬がつぶれるとのこと。

1日で10時間も歩くバイタリティは感心する。



「御者の横か、中か選べ」



藁の束の中で寝ることもできるだろうけど、虫とかいそうでなんかいやである。



「そのどっちかなら御者の横がいいけど、私は歩かなくていいの?」



「お前の話を素直に受け取るならば、お前はあの遺跡以外でどうやって供給するかわからない状態で、今持っている魔力が尽きたら動かなくなるんだろう? 途中でまたあの遺跡に戻るのは手間だ」



まぁいわれてみればそうか、今のところきちんと食事をとっていれば魔力は何とかなりそうだとは思うけど、特に話す必要もない、食事をとることにも疑問を抱かれてないみたいだし。



「そういうことなら、遠慮なく楽させてもらうね」







出発してからは景色を楽しんだり、不思議なものはないか探そうとしたが、景色は変わり映えしないし、鳥の声らしき音は聞こえるが鳥には詳しくない、見える木々も興味を持てなかった。



「ええっと、・・・お名前聞いても?」



暇を持て余して隣の御者に話しかけてみる、なんとなくセサルやエドモンドに従う様子や見につけているもので奴隷とまでは言わないが、弱い立場であることが察せられる、雰囲気が怖いので少しだけ丁寧に話しかけた。


今の御者は、なんとなく皮装備の集団のリーダーのような雰囲気がある、セサルとこの集団のやり取りもこの人がやっているようであるし。

ただ一つ気になるのはこの人たちになんとなく避けられているような感じがする。



「ハイナー・ヘスメルベルクだ」



一応は答えてくれるが、会話を広げる気はなさそうだ。



「昨日見てたから知ってると思うけど、私はアーリ。普段からあの二人と仕事してるの?」



「いや、叡爵様の依頼自体は今回が初めてで、そっちの騎士の紹介だ」



「ええと、傭兵とかそういう感じ?」



「まぁ似たようなもんだが、立場は違うが所属は今朝までいた詰所の連中と同じだな」



「立場?」



「戦争で捕らえられた捕虜が、身代金払ってもらえなくて自分で払っているってところだな、もっとも戦争はもう終わっているがな」



話を聞いてみると彼らはもともと貴族ではあるが三男坊であったり、長男であっても血が悪くて後継から外れていたり、軍に入って実家から勘当された娘だったりと実家では居場所がなかったがゆえに厄介払いのような形で身代金取引に応じてもらえなかったようだ。



「そういうのって国が払ってくれないの?軍人さんだったんでしょ?」



「まぁ、珍しいことじゃないし、俺らにとってもそこまで悪いことじゃない。 戦争に負けた国で浪人したり、居場所がない実家の禄を食むより、戦争に勝った国でうまくいけば騎士爵の道があるここのほうが何倍もいい、前例もあるしな」



そういってエドモンドのほうを見る、エドモンドはなにやらセサルと話していて、気づいていない。



「それにしても、ザクセンの言葉もしゃべれるんだな」



言われてみてはっとしてしまう、ザクセンだかアガリアだか知らないが相手がどっちを話しているかも判別つかないのに理解できてしまうし、相手に合わせて知らない言葉を話せてしまっているらしい。


もうどのくらい残ってるかつかみきれてない力を無意識に使ってしまっている、使った感覚もないのに気づいた後ならソレによるものだとはっきりわかる、もしかして話すだけで毎回消耗しているかもしれないと悪い想像をしてしまう。



「どうかしたか? ザクセン語を話せることを黙っておいてほしいならそうするが」



「・・・ううん、大丈夫」



そういえば意図的に自分の祈りを叶えることってやったことがない、多分このままだと力を垂れ流した場合そう遠く無いうちに使い切ってしまって、それで死んでしまうような気がする。


人と会う機会が増える前に自分でコントロール出来るようにしたい、意識的にしか使えないようにすることと、残量の確認と、使う前にどのくらい減るか、最低でもこれらが分からないでいるくらいなら、完全に封印した方がマシだ。


あとは・・・何で言葉が通じるかの言い訳考えておいた方がいいかなぁ





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