表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/15

衣咲ーその3ー

 彼はどう思っただろうか。私は海外を旅して人見知りは治ったのだが強がりが前にも増していた。

あの状況であんなに強気にでたのもそのせいだ。

いきなりすみませんとか勝手にごめんなさいなど素直に人に謝ることができないのが私の一番直したいところである。

彼も変な女だと思っただろうな……と少し連絡するのを戸惑ったが、店長を探したい。その気持ちが勝っている。

受話器を耳にあてちょっと緊張しながら彼が出るのを待つ。

「もしもし」

「本宮です。今お時間大丈夫ですか?」

彼は少しびっくりしたようだった。

無理もない。私は公園で別れたその日に連絡したからだ。

「あっ……はい。大丈夫ですよ」

「早速なんですが、森平さんはいつぐらいならお時間大丈夫なんでしょう?」

「う〜ん。雇ってもらえるつもりで長野から出てきたのでまずバイトでも働くところを見つけたいんです」

確かに彼は新生活が始まったばかりだった。それを考えずに無理を言ってしまったが、私は素直に謝れない。


「そうですか。では落ち着いたら連絡お待ちしています」

「本宮さんは本当に探し出せると思いますか?僕は正直自信がないんです」

あの悲しそうな顔が目に浮かぶ。

「やってみなければわかりません。私は店長から行動を起こすことの大切さを教わりました。だから諦めないつもりです。例え一人でも」

「僕もすごく逢いたいんです。一緒に探します。さっさとバイト決めて連絡しますから。では」

彼が意地になっているように感じた。

少し掴みにくい人だが一人よりはいい。

もしも悲しい現実が待っていたとして、とても一人では受け止められそうにないから。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ