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番外編 結婚式前日1

番外編の投稿を始めました!

最終話の前日から、その後のお話です。

予定↓

✿ 番外編 結婚式前日(全3話)

✿ 番外編 叔父との確執(全3話)

✿ 番外編 狼と人間(全5話) 

✿ おまけ 〜数年後〜

 私は今、ヘレナさんと森でランチを楽しんでいる。

 同い年のヘレナさんは、ユストゥスの婚約者。

 おっとりとした可愛らしいご令嬢だ。


 ベリス家の者は気の強い人間ばかりだったのだと、彼女を見ていると実感する。一緒に過ごす時間が穏やか過ぎて、私の人間嫌いは何処かへ行ってしまったようだった。


 私の隣で、ヘレナさんは膝の上にリスを乗せて撫で撫でしてあげている。

 さっき私が怪我を魔法で治してあげたリスだ。


「リス様かわいぃ~。エヴァ様のお陰で、動物と仲良しになれましたわ」

「それは良かったわ」


 ヘレナさんは動物が大好きで話がとても合うのだけれど、彼女自身が大きな熊を一撃で倒してしまうほど物理的に強いらしくて、動物が寄ってこないそうだ。ヘレナさんが一緒ならロドリゲス領内のどこへでも、護衛なしで出かけていいと言われている。

 でも、そんなヘレナさんでも、ユストゥスやアルトゥールには力では歯が立たないらしい。

 あの兄弟は、魔法も使えて腕力も凄いみたい。

 ああ、この国で出会う人々のポテンシャルが、私の理解の範疇を越えている。

 周りがそんな人達ばかりだから、もう気にしないことにした。


「エヴァ様。明日の式の準備はいかがですか?」

「まぁ、それなりに……」

「楽しみですわ。あのアルトゥール様が隣国の王子様からエヴァ様を略奪したって聞いた時は驚きましたけれど、お二人は本当に仲が良ろしくて、私も癒されます」


 ヘレナさんはユストゥスからそんな風に聞いているらしい。


「略奪だなんて……」

「でも、あの第二王子がエヴァ様の元婚約者なのでしょう?」

「それはそうだけれど……」

「私、あの王子が苦手ですの。何度かユストゥス様と一緒にお会いしたことがあります。パンパンに膨れたお腹は熊の様で可愛らしいのですけれど、すぐに被害者ぶったり、女性を見る時の卑しい目付きが気持ち悪かったり、内面が生理的に無理ですの」

「そうね……」


 自国では誰もが禁句として口に出す事はなかった、あの我が儘ボディ。コルネリウスはさぞ甘やかされて育ったのだろう。

 確かに、熊と言われたら、そうかもしれない。

 

「エヴァ様。アルトゥール様って、狼にも自由になれるんですよね? 私が見たいって言っても、絶対に無視されるんですよ」

「一族以外の者には秘密にしなくてはいけないそうですし、それに……狼の姿を晒すのは、恥ずかしいみたいなの」


 ベリス家の皆に銀狼姿のアルトゥールを紹介しようとしたのだけれど、妹が触れようとした瞬間、彼は身を翻して私の部屋まで逃げてしまった。


 二人きりになった時に尋ねたら、私以外の人に触れて欲しくないそうで……。


「エヴァ様。お顔が赤いですわ?」

「そ、そうかしら。……あら?」


 愛馬のノワールが鼻を鳴らして私に何かを知らせれくれている。

 アルトゥールが来たのかと思ってノワールの視線の先を見たけれど何の変哲もない森だった。

 何なのか分からずにいると、ヘレナさんが急に立ち上がって、どこからともなく巨大なハンマーを取り出し肩に担ぎ上げた。


「へ、ヘレナさん?」

「エヴァ様! ノワール様に乗っていて下さいませ。森から何かが迫っております!」

「ええっ!?」


 尋常ではない様子のヘレナさんに囃し立てられ、私が慌ててノワールに跨がった時、木々のざわめきと獣の荒い息づかいが微かに聞こえた。

 そしてヘレナさんが見据えていた草むらが大きく揺れた瞬間──黒い影が飛び出した。



お読みいたたきありがとうございます。

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