表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

外伝 第二幕 試合前のヤジ

 俺は牢人の武居茂玄(しげはる)。今は平和な江戸時代。


 ここはとある藩での出来事だ。疫病が蔓延した。跡継が亡くなり、断絶の危機に直面する家が多数あった。養子を迎えようにも、若い侍が足りない。

 大名家では跡継が居ないだけで、減封(げんぽう)改易(かいえき)、最も厳しい処分は御家断絶が行われる。いわば幕府による、土地の確保と不穏分子の抹殺だ。

 藩内で不祥事が起これば、幕府に点け込まれる可能性がある。そこで断絶されかけた家に、牢人を迎えて体裁を整える事にしたのだ。

 試合などが行われ、各家の当主が認めれば、家に迎え入れられる。



 なんの特技も持たない俺は、三人の女性に養われていた。いわばヒモだ。

 しかしプライドはある。ここで活躍して城勤めとなり、彼女たちに楽させてあげたい。




 試合の当日、朝早く城に向かう。ニート生活に慣れ親しんた俺は昼夜逆転が当たり前。早朝出歩くのはきつい。あくびも出る。


 城に向かう途中、町中を通る。魚や野菜を売る威勢の良い売り子の声が響いている。

「まけるぞ、まけるぞ」

「武士の試合前に『負けるぞ』とは何事だ!」

 なんて無礼な奴だ。俺は魚屋の売り子に詰め寄る。


「あんたはバカね……」

 応援の為についてきた、蓉子(ようこ)が呆れる。

 葵衣(あおい)朱莉(あかり)は売り子に謝っている。


 『まけるぞ』とは値引きの事だった。朝早く買い物をしない俺は勘違いをした。そして彼女たちに迷惑をかけ、更に肩身が狭くなるのであった。


この話は、江戸時代に実際にあった様です。

相手は侍ではなく、力士なんですが。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ