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最新式の美少女はロッカーから出る

そういえばヒロインどころか女の子出ねぇなぁ。

そんな細かく描写してないけど、死体ならたくさん出てます。

 

「おおっ」


 折れた腕が治った。腕がくすぐったい。体験したことない不思議な感覚だ。回復薬(ポーション)すげぇ。hpだけじゃなくて外傷も治すんだね。

 流石に血で濡れた汚れは消せないから重症人にしか見えねぇな、これ。回復したのはいいけど残金ほぼゼロになったんですけど。回復薬(ポーション)たけぇよぉ。変なところで現実感出すのやめて欲しい。




「ジョブ……か。いよいよRPGだな、おい」


 スマホのタブにはジョブとブラックスミスが増えていた。


 戦士▲

 格闘家▲

 魔術士▲

 回復師▲

 剣士▲

 狩人▲

 盗賊

 詐欺師★


 なんだこりゃ。まぁ、RPGとかだと慣れ親しんだ文字だわな。しかし、★とか▲とかはなんなんだ?適正とか?お、解説スキルが発動した。思考を察知して発動してくれるのほんと便利。



 ★

 適正があると出るよ☆


 ▲

 むり才能ないよ。こんなの選ぶとか。おいおいおいあいつ死ぬわ。


 詐欺師


 あの手この手で場をかきみだす困ったやつ。なるやつは性根が腐ってることが多い。


 どれにするかなぁ。どれも▲がついてて不向きってことなのか……。となると詐欺師か。★がついてるってことは適正があるってことだよなぁ。うーん、これを選ぶのは少し癪だがこれにしてみるか。とういかね、選択の余地がないもの。ほとんど、適正ないし……。



 詐欺師を選択した。ん?うーん。外見とかは変化しないのか。某RPGだと外見が不思議パワーで変化するけどなぁ。まぁ、心なしか体は軽く感じるけど。ステータスを見るとジョブの欄が詐欺師に変わっていた。



 name:北原ムンク

 level :10

 job :詐欺師Lv1


 hp 220

 mp 12

 sp 50


 str 11(-1)

 vit 8(-1)

 int 3(-1)

 dex 20(+2)

 con 17(+1)

 Iuk 2


 skill 【痛覚無視Lv.2】【感情制御Lv.2】

    【解説】【隠蔽Lv.3】

 skill (T) 【猫騙しLv1】【虚栄心Lv1】


 称号【決断者】


 おお、かなりステータス欄が変わってるなぁ。ステータスに+とか-とかあるからジョブを変えると補正値が入る感じなのね。


 ステータスに見覚えのない単語が増えすぎてたので【解説】を発動。このシステムは【解説】をとりあえず発動させるのが基本と見たね。ゴミみたいな説明内容を我慢すれば有能なスキルだ。



 skill (T)


 普通のスキルはパッシブスキルといい、常時発動ないし状況に応じて発動する。まじ有能。skill (T)は自分の意思で発動しないといけない。優柔不断な日本人には不向きですね(笑)ちなみに読み方はトリガースキル。


 猫騙


 手を叩くと相手の攻撃が外れる……と思う。不思議だなぁ。


 虚栄心


 自分の分身を作る。当然虚像。自分すら偽る詐欺師にはおあつらえ向きですね。



 相変わらず画面を叩き割りたくなるような解説である。まじ、腹立つわー。

 うーん、新しくスキルを得たのは嬉しいけど、いまいち使い方が限られるな。

 これどのタイミングで使えばいいんだ?どちらにせよ攻撃系のスキルではないので色々試して使い方を模索するしかないか。

 ていうか、補正ステータス低くない?まともに上がってるのスピードだけじゃん。耐久力とか下がってるし!そのうちワンパンされちゃうんじゃないの!?

うーん、やっぱり名前の通りそんな戦闘向きジョブじゃないだろうし不遇職かなぁ。失敗したかもなぁ。


 ガタッ


 ん?音。体が自然と重心を落として、短剣を構えていた。おお、体が自然と臨戦態勢に。嬉しいのやら悲しいのやら……慣れたものだ。


 音源は教室の隅にある掃除器具用の錆びれたロッカーだった。たまたま、掃除器具が落ちた?それとも生存者がいる?はたまた、ボスモンスター的なのが来る?


 金属同士が擦れ合うような音を響かせながらロッカーの扉がゆっくりと開いた。


「貴方は……北原君?」


 最近の美少女はロッカーから現れるみたいだ。



 ーーーー


 斎藤アリス。

 この女には見覚えがある。学校関係者は基本的に嫌いだがこの人は割とそこまでの嫌悪感を覚えるほどではない。虐めに荷担しなかったというのもあるが、僕を苛めていたチャラ男自身が斎藤にぞっこんだったので、彼女が通ると虐めが収まるのである。


「あっと……ええ。へへ」


 コミュ障は女子と話せないのだ。へへ。あ、怪訝な顔された。はい、キモくてすいませんね。いや、無理ですってこんな正統派黒髪美少女様と僕がまともに会話できるわけないじゃん。むりぽよ。


 体を伸ばしてストレッチ。そりゃ、ずっとロッカーの中に隠れてればそうなるわなと。上体をそらしてもその慎ましやかな上半身の双丘はなんら強調されないというね。

 あ、なんか怪訝な視線を感じる。やめようこの思考は。


「ロッカーから見てたわ。貴方のお陰でやっと外に出れたわ、ありがとう。」


「あ、はい」


 コミュ障に美少女との会話かなりきついぜよ。そりゃ、「あっはい」しか言えないっすよ。 心の中のしゃべり方もなんかおかしくなってるし。


 ……

 …………

 ………………


 沈黙。ふえぇ、コミュ障ぼっちクソオタクにはきつよぅ


「貴方……強いのね。いえ、異常すぎるわ。なんなのかしら貴方のその戦闘能力は」


 確かに常人から見たら僕の身体能力は異常の部類に入るみたいだ。ステータスの恩恵ぱねぇ。


「あぁ、うん。そういう世界になったみたいだからね」


 ここぞというばかり僕のマシンガントークが炸裂。美少女だから喋りたいとかそういうのじゃなくて、話す話題が無さすぎて沈黙がつらいの。だから、斎藤も知りたがって今の状況を懇切丁寧に説明している。


「…………」


 一通り話すと斎藤は流石にショックを隠せないのか俯いて沈黙してしまった。

 当然何考えてるか分からないし、もし落ち込んでるなら僕にフォローなんていうイケメンチックな行動は無理なのだ。でも、イケメンは滅べばいいと思います。


 やがて、斎藤は何か決意したように顔を上げた。



「北原くん、私に戦い方を教えて欲しい」


やっと女の子出せた。

主人公にどうこう出来るとは思えないけどなぁ。スペック高すぎるもの。

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