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3Fを探索しよう

やっと話が進んだ……ここまで長かった……

 

「グオオオオオ!!!!!」


 オークさんが吠える。あまりにも怖いから『さん』とか敬称つけちゃったよ。

 てか、唾くっさ!?撒き散らさないでのね、ほんと。


 わぁ。

あの棍棒、成人男性の身の丈ぐらいあるんじゃないだろうか。勢いよく棍棒が僕に向けて振り下ろされるが、すり抜けた。


 トリガースキル 虚栄心


 棒忍者漫画の影響で実体のない分身なんてなんの役に立つのかと思っていたけどなぁ。

 これが意外と役に立つんだな、また。

 敵を倒すことは出来ないけど引き付けてくれる。


 後ろから刺すことを基本戦法にしている僕としてはかなり有用なスキルだ。


 背刺(バックスタブ)


 無防備に空いた背中に一突き。

 何も覆われていない素肌の部分に旨く入った。


 成功の感慨にふけそうにな自分を叱り、すぐに短剣を引き抜く。

 前みたいな失敗はごめんだ。


 腰辺りからドクドクと赤というよりは黒に近い血が流れている。

 この傷でもオークの威勢は弱まらない。人間でいうアドレナリンが溢れだしているのだろうか?


 激怒したオークは勢いよく振り向いて棍棒を振り上げた。

 やば 思った以上に早い。

 逃げ切れない。


 トリガースキル 猫騙


 発動させるとあら不思議。

 僕の頭蓋骨を粉砕すべく迫っていた棍棒は、手のひらを叩いただけで全く検討違いの場所に振り下ろされていた。


 よし、旨く出来た。

 このスキルは派手さはないが、使い勝手がいいみたいだ。


「グオオオオオ!!!!!」


「わっ わわっっ」


 猫騙

 猫騙

 猫騙

 猫騙

 猫騙



 当てたと思った攻撃が当たっておらず、訳が分からないのかオークが咆哮する。

 激昂したオークは破れかぶれに棍棒を振り回した。

 そして、僕は猫騙でかわし続けるから更にオークは激昂する。

 なんたる悪循環。

 一度距離をとって建て直したいけど逃げれそうもない。

 こうなると一か八か懐に飛び込んで賭けに出るしかない。


 と以前なら考えていただろう。

 しかし、今はパーティーメンバーがいる。


「斎藤!!」


「分かってるわ!初級氷魔術(エイス)!」


 人の頭ぐらい大きい氷塊がオークの頭にゴンッと勢いよく音を立ててぶつかった。

 ジョブ魔術師のスキルだ。

 正直僕の詐欺師のスキルより格好よくてずるいと思う。


 オークは脳震盪をおこしたのか動きが止まり片ヒザついた。


 この高さなら首を狙える。

 そのまま勢いをつけて背刺(バックスタブ)

 短剣はスッと首を突き抜けた。

 オークは力なく倒れ、絶命した。


「おお、ここまで簡単にオークを倒せるとは」


「そうなの?そこまで強く感じなかったけど」


「いやいや……前とかほんと死にかけたから」

 腕とか折れたし。一度は死ぬ覚悟までしたし。


「ふぅん。なら油断しない方が良さそうね」


「そうしとくといい……」


 油断どうこうともかく斎藤の魔術師になってからの戦闘も落ち着いてきた。

 ゴブリンはもちろん協力して戦えばオークもそこまで苦労しないで倒せるようになった。


「そろそろ、下の階に行きましょう」


「うん。慎重にね」



 ーーーーー


 スキル:隠蔽 を発動させてゆっくりと階段を下りていく。

 斎藤にはまだ4階のほうに待機して貰っている。

 何があるか分からないので片方が偵察をして安全かどうか確かめてから3階の探索をすることになった。

 偵察をするのは隠蔽スキルのレベルが高い僕になった。


 音をたてないように極力ゆっくりと歩みを進める。

 三階の廊下には一応人影はなかった。

 一応音とかはするから、教室内にはゴブリンみたいなのがいるのかもしれない。


 大きい危険性はなさそうなので斎藤を4階から呼んだ。


「上とそこまで変わらない状況なのね」

 3階も4階のように荒れていた。

 窓ガラスが割れて、壁や扉も所々破損していた。

 多分この階でもゴブリンみたいなモンスターが出現したんだろうな。


 ん?


「どうかしたのかしら?」


「いや、なんか声がする……?」


「本当だわ。これは助けを呼ぶ声みたいかしら?」


「一応、僕が見てくるよ」

 別に人の命は尊いとか言って必死に人助けをしたいわけではない。


 その証拠に僕も斎藤も少年漫画の主人公のごとく人命救助に必死になり、安否を気にして焦燥することはない。 

 極めて冷静だ。

 様子を見て助けれるなら助かるぐらいの考えだろう。


 意外と彼女とは相性はいいのかもしれない。

 ここで

『人の命がかかっているのよ!!!』

 とかヒステリック調に叫ぶタイプだと、面倒で堪らない。

 じゃあ、自分でどうにかして下さいよと思うね。

 こういうの言うタイプって意外と自分では動かないのよね。


 音源は少し離れていた位置にあったが上昇した僕のステータスで走ると然程時間はかからなかった。

 僕のステータスは素早さに特化しているので尚更だ。


「い、いや!来ないで!来ないでったら!!!」


 そこにはグールに囲まれ、教室のすみに追い込まれたツインテ女子がいた。

 明るめで長めの髪の毛をツインテにしている。イメージ的には初音ミ○。

 やや、つり目の瞳は強気なイメージを持たせる。

 グールは20体ぐらいだろうか。

 床には血まみれになってうつ伏せで倒れてる男子生徒が二人。女の子を守っていたのだろうか。男らしいことこの上ないね。


 一応解析を発動。

 全部やるのは時間がかかるので一番がたいのいい奴のみ。


 name:グール

 level :1


 hp 50

 mp 0

 sp 0


 str 7

 vit 1

 int 1

 dex 1

 con 1

 Iuk 1


 skill -



 弱いな。

 一応筋力だけは高いみたいだ。

 あれか?死んだから脳のリミッターでも外れて普段抑制されてる力でも出せるのかな?


 まぁ、このまま見捨てても寝覚めが悪いので助けるとしますかね。


 ガシャンッ

 教室内の花瓶を叩き割り注目を集める。

 こういうゾンビ系って音をたてるとワラワラ集まってくるのよね。


「アァアアア」

 お、グールも例に漏れず集まってきた。

 流石に20体一気に相手は骨がおれるな。


 スキル:虚栄心を発動して分身を作る。


 半分ぐらいのグールが分身に標的を変えた。


 よし、半分が分身に引き付けられてるうちにさっさと倒しますかね。

 背刺(バックスタブ)は使わなくてもいいか。

 グールの首を短剣で一撫。

 簡単に首が落ちた。

 あれ?想像以上に弱いな。

 まぁ、ステータスとかかなり上がっているしこんなもんか。


 ーーーー


「意外と早く片付いたな」

 あれだけいたグールは大した時間もかからず一切動かなくなってしまった。

『レベルアップしました。』


 脳内に鳴り響く不思議な音声。

 お、レベルアップしたか。やった。


「あ、やべ」

 そうだ、ツインテ女子は無事だろうか。

 視線を向けると放心したように立ち尽くしてはいるが外傷はないようだ。


「もう大丈夫だよ。おーい、聞こえてる」

 近づいて顔の前で手をヒラヒラとさせる。

 僕の声に反応したのか、ハッとして僕に視線を向けた。


 わなわなと震えて

「アンタはなんてことっ!!!」


 はい?


「人を殺すなんてこの!人でなし!!」

 パシッ

 頬叩かれた。


 えぇーせっかく助けたのにーえぇー





新キャラ登場ですよ。ツインテちゃんです。

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