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神代桔梗は幼女として異世界を生きる  作者: 消すには惜しい黒歴史
第1章 神代桔梗が冒険者になるまでの物語
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第2話 神代桔梗は幼女になってました

起きて最初に見た景色は、石造りの天井だった。


「俺、本当に転生したんだな。」


俺は昨日のことを思い出しながらそう言った。

実際のところ昨日はいまいち転生した実感がわいてなかった。前世は生きていた時間よりも幽霊でいた時間の方が長かったから、寝た記憶がほとんどない。寝たのはひさびさだ。


「そうだった。村に行かないと。」


昨日、きちんと夜を越せたらここに住もうと思ってたけど冒険者登録は一応しておこう。冒険者は買い物も得にできるらしいし、なにより情報が欲しい。俺はこの世界のことをほとんど知らない。1日1回しか使えない《全知》を情報収集に使うのはさすがにもったいないしな。


部屋を見渡していると部屋の片隅にあった鏡が目に入った。

そこには10歳位の実に可愛らしい女の子の姿が映っていた。


「は?」


俺は目をこすり、もういちど鏡を見る。

そこには10歳位の実に可愛らしい女の子の姿が映っていた。


「はああああああああああ?!」


落ち着け。まずは落ち着け。

こんなところで時間を食うべきじゃない。

女でも冒険者になれないわけじゃないだろうし問題はない。

けど、俺の姿を見たらギルドの人が冒険者にするのを渋るかもしれないな。女冒険者がいるとはいえ、10歳位だし。

村に行ったら姿を隠せる衣服、そうそう、フード付きのローブでも買ってからギルドに行くか。それを着て男らしく行動すれば女だってばれないだろ。




・・・俺は今、すごくイラついている。

理由は、ローブを買いに入った防具屋の店主が俺を、女の子扱いするからだ。


「お嬢ちゃん、金はあるのかい?うちの防具は性能がいい代わりに値が張るぜ。」


「だから言っているだろ!俺は男だし、金だって持ってる!」


俺が目が覚めた時に持ってた革袋に金貨はかなり入っていた。この世界の相場はわかんないけど、こんだけの金で買えない物なんてそう滅多にあるまい。


「あなた、子どもでもお客さんよ。商品くらい見せてあげましょう。」


店主の妻らしき女性が言うと、店主は俺にローブを見せてくれた。


「これは金貨17枚だ。一般的な家庭の年収よりも高い金をお嬢ちゃんが払えるのか?」


世帯収入よりもローブの方が高いのか。


「そのローブには金貨17枚の価値があるのか?ただのローブにしか見えないが。」


これでただのローブだったらぼったくりだ。別の店にいこう。


「うちの付与魔法師の腕をなめんなよ。このローブには《俊敏化》、《強靭化》、《魔法耐性》《魔力増強》、《隠密》の5つの魔法が付与されているんだ。これでも金貨17枚の価値がないと言えんのか?」


5重付与がすごいのかわかんないけど、たった17枚だし買うか。


「買った。」


「毎度あり。」

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