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青年がやっと自己紹介を始めた話

青年が自己紹介するまでに4ヶ月かかりました(´^д^`)w

久しぶりの更新なので、何か設定に矛盾があったら感想欄かメッセージで教えてください。

このお話の範囲なら、すぐに修正します(*´ω`*)


 現れた謎の青年。

異世界からの転移者である先祖を持つという彼は、中々自己紹介を行わなかった。


 既にレイナールさんから情報を得ていると思っているのだろうか。

なんにせよこの青年の来歴は大変興味深い。


 なにせ先祖が転移者だ、これは同じく地球からこの世界に転移してきた俺としても親近感を感じざるを得ない案件だからな。

たぶんそのご先祖様とやらも、俺をキャラクターごとこの世界に飛ばしたあの悪魔の力によってやってきたのだろう。


 そして彼が「始まりの基礎にして終わりなき奥儀とも言える魔力操作を完全に修めた」と言っている事から察するに、その人もまた地球という世界からやってきた影響により、魔力を持っていなかった可能性が高い。

ま、だからどうという訳でもないけど。


 ただ他にも彼の先祖のように転移者や転生者がいるのならば、久しぶりに故郷について語り合う形で会ってみたいのも事実だ。

とはいえそれは絶望的だけどな。


 なぜなら俺がこの世界に転移してきたのが1000年前で、俺と同じように悪魔にチート能力を希望し伝説となったであろうその人も、既に黒髪の青年の先祖としてこの世から去っているからだ。


 この事から、俺と同じタイミングで悪魔に飛ばされた転移者や転生者は全員故人となっている事が確定した。

もし希望があるとすれば、また悪魔が地球の神とのゲームで勝負に負けて、新たな魂をこちらに送り込んでくる事くらいしか可能性はないだろう。


 そこまで考えて、真剣な表情でレイナールさんとイベントの打ち合わせをしている青年に視線を向けた。


「ところで君」

「なんでしょうかアースさん」


 いや、なんでしょうかじゃなくてね。

俺は君の事を何にも知らない訳ですよ。

この王都ヨンドルでは名の知れた人間なのかもしれないが、あくまでこっちはさすらいの旅を続ける元引き籠り。


 君の情報を知っている訳がない。

そこらへんの配慮がないと、今後出世できないよ。


「いや、大したことではないのだが、そろそろ自己紹介をして欲しい。私は田舎者でね、この王都の事にも色々と疎いところがあるんだよ」

「ああ、これはすみません。申し遅れました。どうにもレイナールさん関係の人との付き合いとなると、自分と面識のある人間しか接していなかったのでつい……」


 まあ彼も王都全体を巻き込んだビッグイベントの配役という事で、色々と緊張していたのは分かる。

人間ていうのは余裕がなく切羽詰まっていると、初歩的なところから疎かになるものだ。


 故に許そう。

今回の失敗をバネに、イベント本番ではより良い活躍を見せてくれ。


 そして黒髪の青年は俺へと向き直り語った。


「俺はゴドル王国の首都、王都ヨンドルを守護する第一騎士団長の推薦で雇われた、レイナール第一王子直属の隠密、名をクロード・エドガワと申します」


 なるほどなるほど、エドガワということは、江戸川さんね。

あの悪魔に転移させられた人は、どうやら俺と同じ日本人であったようだ。


 それにしても第一王子の隠密とな。

なるほど、確かにそれなら自己紹介を躊躇っていたのも頷ける。


 隠密が気軽に自己紹介なんかしてたら職務放棄も良いところだしな。

レイナール王子と付き合う上で自分と面識のある人間しか相手にしていなかったというのも、これで理解できた。


 続けて江戸川青年は語る。


「本来は第一王子が権威的に失墜する前に暗躍し、第二王子の暴走を止めるのが役目でしたがそれは叶いませんでした。既に王子から話は聞いていると思いますが、第二王子は悪魔の召喚に成功してしまったのです。伝説の存在である祖先ならばともかく、血の薄れた俺ではとてもではないが対抗できなかった……」


 そう悔し気に語る彼の顔は無念に彩られており、どれだけこのイベントに思い入れがあるのかを如実に語っていた。

そういう物語への感情移入、嫌いじゃないよ。


 だが話はだいたい分かった。

ようするに今王子側で考えている動きとしては、魔王(とかいう架空の存在)の暗躍により王都がピンチになっており、その進行のために既にある程度配役が済んでいるという事だろう。


 俺もあれこれと準備を進める気でいたが、これは無理にこちらが動くより、彼らの構想に付き合って動いた方が設定に矛盾が出なくて良いかもしれないな。

よし、その案でいこう。


「事情は分かった。それで君は今後どうするつもりだ? 私の動きはできるだけそちらに合わせよう。こちらでも想定している事はいくつかあったが、お互いの足枷にならぬようどちらかの案に合わせるのがこの際ベストだろう」

「ええ、お心遣い感謝致します」


 俺がそう言うと江戸川青年は頷き、俺達に接触した目的と共に今後の計画を語り始めた。

さて、どの程度綿密な計画があるのか、お手並み拝見といこうじゃないか。




2か月程前に新作連載始めました。

現在90話近く更新されており、ストックもだいぶ多く溜めてあるのでしばらく息切れする事なくお楽しみ頂けるかと思います。


もしよろしければこちらもお楽しみください。


【異世界創造のすゝめ~スマホアプリで惑星を創造してしまった俺は、創造神となり世界を駆け巡る~】

URL:https://ncode.syosetu.com/n2419fp/

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― 新着の感想 ―
[良い点] 楽しかった。 王都篇だけでも何とか更新オネシャスッ!
[良い点] 新作が面白かったのでまた読みにきました。 [一言] 自己紹介をしたら特に話題がなくて会話の間があくのは陰キャあるある。自己紹介に4ヶ月かけたんだから次の話題を出すのに2年かかるのもしゃーな…
[一言] 続き、楽しみに待ってます。
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