ココが祭り準備の中死期を悟る
ココが自らの死期を悟った
それはとても祝うべきことだ
町で一番の道化者が十字路の真ん中で叫んだ
ニワトリが捕まり壁に思い切り叩きつけられて気絶した
ココが気落ちしたからよく伏せるようになった
通りを走る車の音が実は女の悲鳴だった
国境を越えてやって来る鉄道の食堂車がいつも満席だ
この赤い地が忌まわしき槍の発祥の地だなどと忘れたかのよう
ココソファ降りて下覗くとアリの大群が自分のことドラゴンだと思い込んで威張り散らす
伝説の足裏のまめがなぜ伝説になったか教えてあげよう!
ギャングも売春館に女を買いに来る
果樹園の中で抗争の終わりをじっと待っていた老人がふいに顔を出す
もう捨てられた石膏像の頭達が出てこなくていい
ゴミ山の鋭利な物物が切り刻んだ時間だ
公園が支配されていた憎しみだけに執着する
もう鳥が運ぶことをやめた
後は川に落ちて死ぬだけだ
川面の色を一生懸命見ようとしたけども目が無いから見えない
ココができることから少しずつやろうと思った
でも今は動けないからとにかく休む
大地に耳当て検査するゴレン・ババレユと呼ばれた木の聴診器がある
波打つビルに心臓めがけて手を突っ込んで走る
ココが玉ねぎの屋根でできた洋服を売る婦人と挨拶した
ジャングルに置かれた広葉樹が船乗り達のフライパンを凍らせた
看板が落ちて死ねばいいと一日中少女が叫ぶ
ここが黒いもの達油壺の中で熟成されて人が滅んでから鉄鍋に移される場所だ
だから周りの町に比べて水がきれいだ
ココがタコの遺伝子を継ぐかのように寝転んだ
夜の煌めきを引きずった町が人間を小さい一個の耳たぶだと思う
粘菌のように小屋から一斉に飛び立ったのが鳩だ
まだ昼間だというのに道で寝ている人の6人に1人が実は凍死している
どろどろの精液が絵の具の代わりにされてトタン屋根に塗られる
麻薬が土煙に混じって子供の中に入っていくのだ
ココがまず祭りを案内するポスターを作ったそして人を集めよう
心の中の花が掘削機に乗ったら爆発した
子供達がレンガ壁を跳び越える遊びをしてチャネリングした
女が台所で疲れたから外で一服することにした
通りを走る自転車がぶつかったのは怪鳥の木彫刻だ
ココが手描きで一枚ずつポスターを描いた
でも紙がすぐ無くなったので残りは壁とかに描くことにしよう
ココが荷車に乗って家を出ると指をくわえて見ている幼児を見つけた
この町で歴史という歴史を感じるやつなんているもんか!
酒を飲む男がとぼとぼとやって来る
町中の看板から剥がれ落ちたペンキをきれいと思って集めていた
少女がふいに空を見る
大きなカタツムリが歯の裏に隠れて想い人を待つ
少年達が食べる給食が人魂のつなぎ合わせだ
老婆が飛んでいる羽虫を右目だけで食い殺す
男が首を270°回された
後は絵描きが画板を捨てるだけだ
地表すれすれを滑るように走ろうと思ったけれどもう背中の肉削げたからできない
ココが手の届くところに絵と文字を書き始めた
でも気分悪くなったからちょっと休む
ココが枝葉を鳴らせる風のメロディーを昔どこかで聞いている
ココが期待を持って荷車を走らせる
「おや! お嬢ちゃん! 威勢がいいねぇ〜!」窓から顔を出した女が言った
露店のニワトリの唐揚げが妖精を躍らせ引き寄せてきた
「おばさん! 私お祭をするの! 来てねぇ〜!」ココが言った
亡霊がぎゅうぎゅうに整列して一生懸命一件の家に入ろうとしているのだ
だから排水管がそこら中に張り巡らされているのだ
ココが魚の遺伝子を継ぐかのように楽しげに走った
ココにとってこの町が一つのキラキラした童話に変わる
ココの胸の中に広がっていくのが死人の踊りだ
まだ生きているというのに凍りついた魂が徐々に溶け始める
ぐにゃぐにゃの身体が男と女の境を越えて動いている
ココの髪が風でなびいて昔を思わせるのだ




