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ココの練り歩き



ココが子供達を連れて町を練り歩いた

笑い上戸がバイクに乗りながら人を殺している

もう奇形児を見ることはないだろう

遺伝子が悪魔にいたずらされることはない

赤い血よ赤い地

青い炎青い穂嚢

ハンターが最後尾でステップ踏みながら歩いていた

麻薬中毒者はみな一定の無意識領域への介入時間がある

窓にネズミが張り付いてお葬式する

古代が猛禽のペニスを切り取って乾燥させたものを結び合わせてできている



子供達がなぜか気分に乗り遅れないために練り歩きに参加した

毛布を縫っていた太った女も参加した

煙草を吸っている子供も参加した

害虫駆除をしていた男達も参加した

川に落とされて死んだ亡霊も参加した

卵を盗まれて復讐のために殺人術を覚えたカラスも参加した

ネズミに半分食べられてから放置されたバッタの死骸も風に乗って参加した

墓場にすんでいたクモの夫婦が交通事故に巻き込まれて家を失ったから参加した

少女がスカートをたくし上げて腹と女性器みせびらかしながら踊った



ココがここで何を見たか

祭りだ!

祝祭だ!

死乃哲学(イオマンテ・ブリコラージュ)による死の祭りだ!

どこの誰が不謹慎だと言えおう!

人はみな生ける死体であることをなぜ忘れた?

これはトンチキの宗教狂いになるか?

集団自殺を誘発するか?

すべての物語は総じて毒であるオナニーを除いては

リトルギャングの歌う歌も太陽の光も母の作るタペストリーも一人寂しげな月夜も旅行者が作った半端なドキュメンタリーも毒虫の毒も牛の頭を煮込んでつくったスープも毒である

問題はそれと音楽が合うかだけである

人間は音楽とよく似た魂や物語でできている

だから耳を澄ますと異界の声がする

悪魔も死者も子供の指でできた城も異界である

無意識かもしれないこの世界は毒で満ちている

現実だからいつか死ぬから

だがその毒にこそ本当の意味がある

ココ気づいたら群衆が処刑人の屋敷の前にたむろしていた



ココが群衆の中を体擦らして進んだ

笑う医者が毒薬飲ませて勃起不全にする

肥満で膝をやられ動けない女がネズミに垢を食べてもらう

人殺しが詩人であるばかりではない

ここはもう終わりに近いよだから始まりだ

もうバイクに頭踏まれるのはごめんだと建築家が悲鳴をあげた

木々はみな根を下に伸ばして未来に風穴開けようとする

学校の窓がガラスじゃなくてタオルだ

群衆が手を上げて叫びながら何かを求めている

子供達がこの集まりの意を本当は知っていた

鈍器のような文字で死なないこの集団が!

肉串を食っていたこの集団が!

教会のお恵みにありついていたこの集団が!

灰をバケツに入れて水と流していたこの集団が!

子供を売られても煙草を吸って交信しようとしていたこの集団が!

町中を走り回る男を罠で転ばして殺してしまったこの集団が!

自分が何もないからといって物欲しさだけで人殺し愚かな城を建てたこの集団が!

ココが素っ裸で踊っている子供達を見た



処刑人の手下が現れた

灯りがついた

「暴動だ!」と言う

建物が静かで声を上げない

誰が魂殺しだと言えよう

物はすべて何かの神霊を引きずっているとなぜ忘れた?

処刑人達が二階の窓から外の様子を見た

この群衆が何をするか

屋敷の前の通りが人でごった返していた

ネズミとカラスを除いては



鳥虫動物人人鳥鳥鳥虫動物動物人人鳥虫鳥虫人人鳥鳥虫虫動物動物動物人人鳥鳥鳥鳥鳥虫虫虫虫虫動物動物動物動物動物人人鳥虫



問題はそれを見る人の物語である

向こうから現れ始めた月が詩の朗読をする

だから夜に人を殺すと気持ちがいい

人だかりを聞きつけて麻薬の小売人が来る

銃の強いこの社会が肉でできている夢かもよくわからない

屋敷から処刑人の手下が四、五人出てくる

まだまだ銃は出て来はしなかった




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