ココの演説
「学校建設の金は教会側が払うんじゃないのか!」アゴに傷のある処刑人が言った
「我々も他方の整えのために資金繰りが大変なんだ。教会が率先して町の改革を行うならもう少し負担して欲しい」タカ鼻の処刑人が言った
「おお! そういえばここには警察署長がいるじゃあないか! なんとか言いくるめて国から金は取れないのかい?」髭をはやした小太りの処刑人が言った
「ええ? そう言われましても申請には手続きがいまして、それをやるとなると非常に面倒というか……」警察署長が言った
「そうだよ! こいつは俺達とつるんでる時点でもう警察の生き恥だぜ! もうママの顔もみれねえな!」魚の目みたいな処刑人が言った
「いかにせよ、教会はこれ以上金は出せません。そちらでどうにかして頂きたい」ハンターが言った
「みんな、わかっていると思うが姑息に麻薬と武器を流しているだけじゃ今以上の儲けはでない。町のインフラを整えて俺達が町の中心に座ることが出来ればもっと大きく儲けられる。小さい場所で奪い合うんじゃなくて大きい場所で儲けるんだ。それに町を栄えさせりゃ、俺達は根をはれる。この先長くはきっと安泰だ。金の方はなんとか工面してほしい」上座の処刑人が言った
「でも一体どうするってんだ。枯れ井戸から金なんて出ないぞ」髭をはやした小太りの処刑人が言った
「じゃあ、こうゆうのはどうだ?今この地に入ろうとしている外資系企業から金を出せないか。もし無理でも企業誘致に国から金を出せないか。名を借りよう」アゴに傷のある処刑人が言った
「いや、国から出せる金なんてたかがしれている。それより俺達が各個に築いてきた麻薬と武器の流しを合わせるべきだ。無用な諍いをやめ一本化できれは流せる量が増えて収益も上がる。さらに町も舗装されれば言わずもがな。今から一本化を進めてもいい」タカ鼻の処刑人が言った
「ハンターさん。資金の方は我々でなんとかできそうです」上座の処刑人が言った
「そうですか、それは良かったです」ハンターが言った
「あの! 私に話をさせて!」ココが言った
「ええ? あの子は何を言っているんだ? ハンターさんの連れかと思っていればここをなんだと思ってるんだ! それより資金捻出のためにより具体的な案を洗わねば」髭をはやした小太りの処刑人が言った
「いや、どうかこの子の話を聞いてあげて下さい。お願いします」ハンターが言った
「私は私という一つの個人から
この町の
ゆりかごの声を聞き出してみたいわ。
ああ、
踏みつけられる銀の靴に
私と悪魔の終わりを見たわ。
私はきちがいかしら?
ならこの世に信じられるだけの
真実があると思って?
私は一体何かって?
私達とはきっと
生ける死体なのよ。
永久に変わることはないわ。
貴方が真摯に生きている限りは。
混乱とした世界を混乱のままに
受け入れるのは限界があるのを知って?
そこに透明な骨があろうとも
憎しみは政治と合わないの。
でも私は死体としての私が死者と
融合しても立ち現れてくる
限界というものを知っているの。
どうか明日のための童話を奪わないで
お金や物で解決できる人
はほんの一握りです。
ただ少しの思いやりでいいんです。
処刑人のみなさんはきっと
私の言ってることはわからない……。
でもいいんです。
私達にとって生きるということが
処刑人のみなさんにとってわからないことでも
この町で密かにのんびりと
霞のようにあってくれるだけでいいんです。
町の開発はこれからも進んでいくんですね。
私はそれをどうしていいかわかりません。
でもどうか、この町の悪魔達を消し飛ばさないでほしいんです。
私にもどうすればいいかわからない。
それは悪魔が赤い地を流すほどに川は青々と清く留まっていくものだから」ココが




