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仲間が来た



七頭の雌牛が縄で引かれて行く

子供が空を舐めようとかさぶただらけの手を伸ばす

行き場を失った老人が聖人のように見られる

銃を懐に入れようが入れまいが死体は死体のままである

ココが白い罪人のアジトから出てきた

空の鳥の群れがどこへ行くかも決めず旋回していた

見せかけの魂が輸入車のエンジンに次々と取り込まれていく

子供達の群がって噛んでいる薬タバコがピンク色の布袋にしまわれた

悪魔タタンがココの下に現れた

「見て見て! この羽根七色に光るよ!」悪魔タタンが言った

ココが体を引きずりながら動く

「あれ? おんぶしなくていいの?」悪魔タタンが言った

「あなたの肩の上とこの土の上はなんだか同じ気がするの。だからきっと大丈夫」ココが言った

「でも、大変になったら呼んでね。僕達はこの町の味方だからね」悪魔タタンが言った



「一つ相談事があるの。白い罪人がライターを失くしてしまったんらしいの。私はそれを探すのだけど手伝ってくれないかしら」ココが言った

道の水溜りがどこから湧き出したか知っているか

土のついた家の壁が何者かに引っ掻かれて麦畑に見える

魚屋の女主人が三つの魚の頭を切り落とした

子供達がゴミ集めのために駆けて行く

その足の裏が黒く硬い

「僕これから女の子と約束あるからなぁ……」悪魔タタンが言った



悪魔レキュスタが現れた



「ココ、困っているようだね。でも大丈夫。君は旅でいろんなものに会っただろう。彼らに手伝ってもらえばいいんだ」悪魔レキュスタが言った

悪魔レキュスタが指を鳴らす

水の入った壺の中からしゃくとり虫とカラスと猿と白い仮面の少女が飛び出して来た

「「僕達仲良くなったんだ!だからお礼に助けてあげる」」しゃくとり虫とカラスが言った

「俺も助けてもらった。だから、手伝う」猿が言った

「私もあなたを騙してしまいました。だからせめてお手伝いを……」白い仮面の少女が言った

「みんなありがとう。これからよろしくね」ココが言った



七人のリトルギャングが一列に並んで歩く

少年が腹を満たそうと墓場の土を顔に塗る

広場で麻薬中毒者が雄雄しく弁を振るい

「ええと……じゃあ、白い罪人が失くしたライターを探すのだけれど、白い罪人さん!そのライターはどんな形をしているの?」ココが言った

「ここらじゃ誰も持っていない銀色のライターだからすぐわかるよ」白い罪人の亡霊が言った

異国の汚れた貨幣が子供のおもちゃとして売られていく

子供達の創り上げた経済がより暗澹で広大で魅惑だ

最も高いのが悪魔だった

「俺はもう行くよ。用事があるから」悪魔レキュスタが言った

悪魔レキュスタが去る

「僕も他の子と約束したから無理だぁ。じゃあ、またね」悪魔タタンが言った



「悪魔達はいなくなってしまったけど、私達だけできっと探し出せるわ!」ココが言った

「「じゃあ、僕達は虫と鳥達に聞いてみるよ」」しゃくとり虫とカラスが言った

「じゃ、俺は動物達に聞いてみる」猿が言った

「白い仮面のあなたは私と一緒に。呼び方は白でいいかしら」ココが言った



町の人々が奇声を上げる日を何時か知っているか

宴の踊り子に踏みならされた土が息を吹き返した

子供が首に白いネックレスをかけた

しゃくとり虫とカラスと猿がライター探しに駆けて行く

木の根が異界を吸い上げる

「はい、白でいいですよろしくお願いします」白い仮面の少女が言った



ココと白い仮面の少女が歩き出した

ココが体を引きずりながら探す

バイクで走る男と衝突した鳥が吹っ飛んだ

少女達が笑いながら抜けた歯を巾着袋に入れる

リトルギャングがふざけて銃を撃つと浮浪者がどこからともなく現れる

ゴミが浮浪者との運命的な出会いを腹の底で願っている

崩れたレンガ塀の一部が女の枕になった

地熱で舞い上がる砂煙が死体の在り処を隠す

ココと白い仮面の少女が市場に出た




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