ココ帰る
悪魔達が息を吹き返した
マネキンが乾土と同化して足だけ見せた
大きなうさぎがうさぎの頭蓋を持って去っていく
空に誑かされた花がそろそろ種でもつくりましょうかと枯れるのだ
右手に杖を左手に麻薬を持った旅人が地平線の上をトレーラーに乗って走る
宇宙がただそれらを見ている
悪魔達がゆっくりと起き上がる
「さて、お前がそう言うなら俺は退散するとしよう。だが、一つ言っておく。俺はまたお前の前に必ず現れる。覚えておけ」ハンターが言った
ここは何もない荒野
ここは人が難なく死ぬ土地
町の鐘の音が大きくなる
「ココ、もう帰る?」悪魔タタンが言った
「ええ、そうね。帰ってみようかしら」ココが言った
悪魔達がココの周りに集まった
麻薬を買った刺客が子供達と一緒にサッカーをする
マネキンが青年に盗まれ国境を越えるのだ
ハンターがもうどこかに消えてしまった
「ココ、これでいいんだね?」悪魔レキュスタが言った
ココが蜃気楼みたくバラバラにならない
宇宙が荒野のように大きくて無だ
そこで存在というものが花びらですなわちココも花びらである
悪魔タタンがココを肩車して歩き出す
マネキンがバラバラのココだ
うさぎとトレーラーが夢である
旅人が方位磁針
空と乾土が無意味なのである
ここは何もない荒野ここは何もない荒野
すべてが透明であるだから意味も存在もバラバラの無であり宇宙である
ココと悪魔達がココの生まれ育った町を目指す
さあ、もうゲームは終わったかい?
このクソッタレのセカイにピリオドは打てたかい?
でも、クソッタレは続くよ、リアルというクソッタレさ
そういうお前は俺を食べたなこの世にクソッタレ以外のものはないと‼
そうさクソッタレ、クソッタレ運命
お前の地球ではクソッタレでないもんでも俺のどこかから来た異星細菌にとってはクソッタレ
お前の深海に住む深海魚にはクソッタレでないもんでも俺の霧深い山脈に住む偶蹄類にとってはクソッタレ
そうさ、お前と俺のクソッタレ運命さ
善や正義や道徳や博愛を叫ぶな‼
お前と俺とクソッタレが傷を舐めあってるだけだから
みんなみんなみんなみんなありのままのクソッタレじゃないのか……?
ええ‼ そんなことしたら大量消費経済は崩壊するし格差より酷い貧困になるしインフラボロボロで病気蔓延して人はバタバタ死ぬしお前はほんとはそんな気もないんだからやめろって‼
そうだね、だから俺書くよ
発散して書けば人殺しのテロは起きないもんね
あっち側にいった感想としてお前はどう?
俺が感謝するかは別だよ
なんか俺わかった気がするよ
だからお前はクソッタレなのか?
クソッタレ運命?
お前、本当は気づいてんだろ!
お前の書いたクソッタレが実は世に蔓延る俺のクソッタレと大差なくて気づかぬうちに交換すり替えっこしてるのが歴史であり宇宙だって……クソッタレだもん
クソッタレ運命
あれ‼ 俺まだゲームしてたか‼
俺はクソッタレ善とかクソッタレ正義とかクソッタレ道徳とかクソッタレ博愛でいいんだよ
どういうことかって?
身体に見合うもんでいい‼︎
クソッタレ運命
それが俺の運命
怨霊出てこい祭りだ




