表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/69

みんなで踊り



ココと悪魔達がネズミの村に帰ってきた

闘争する人々の右手に握られていたものはいつの間にか無くなっていました

投げられた石は遠くへ飛んでいきます

もはやそこに暮らす人々はいなかったのです

悪魔タタンがネズミ達の前に出た

「よくぞ戻ってきた‼ さて、カエル達の様子は?」輪の中のネズミが言った

「僕はカエルさん達をダンスパーティーに招待したよ‼ ネズミさん達も一緒にどう?」悪魔タタンが言った

森が下馬評をしている

ネズミ達が槍を構えた

「何をふざけたことを言っている‼ さてはお前達、二重スパイだな‼ こうなったら訊問して懲らしめてやる‼」ネズミが言った

農夫がくわを捨てて森を焼き払う

催涙の霧を撒かれた村の柵が黒い

我知らぬ人の波は静まっていてくれと皆に言いました

輪の中にいたネズミが悪魔タタンを槍で押さえつけた

悪魔タタンが血を流す

青い実が宙を舞うか

レモンが踏み潰される

ネズミ達が後に続けと悪魔タタンにのしかかる

仕事帰りのサラリーマンが

テレビを見る冷めた学生が

地方交番で和む警官が

下馬評をしている

「やめて‼ なぜこんなことをするの‼」ココが言った

ネズミがココや他の悪魔達に槍を構える

「お前達には我々の理想などわかるまい‼ 我々の意思などわかるまい‼」ネズミが言った

血そのものにいかほどの価値があるか考える人は少ないでしょう

森の冷えが穴を開ける

横たわる女に手を差し出した男が転んで頭を打って死ぬ

アジテーターの足が濁流に踏まれてレモンに見えた



踊りに釣られてカエル達がネズミの村に来た

カエル達の右手に付けられた指輪が青く輝いていた

悪魔タタンがするりと抜け出し飛び上がった

それを止められる者などいなかった

農夫はいったいどこへ行ったのでしょう

ネズミ達が起き上がりカエル達に槍を構えた

「カエルさん‼ ようこそおいで下さいました‼ ここはもう遊び場です‼」悪魔タタンが言った

森の灰が腐葉土に混ざる

闘争は棒を構えさせました

何をしているのでしょう

彼らを何が導いているのか

叩く者も叩かれる者も何者も吸収された

警官かジュラルミンの盾で学生をなぎ倒す

ネズミ達とカエル達の集りが白い

明日はすべてを知っているからきっと迷える人々に語りかけます

人波が溺れて棒で女を押さえつけた

青い実が腐って輝く

悪魔タタンが宙を舞って

カエル達が喜んでいる

ネズミ達が見て呆然とする



ココと悪魔達は

踊りに来たカエル達は

争わんとするネズミ達は

ただそこにいるのです



「みんな‼ 一緒に踊ろうよ‼」悪魔タタンが言った

「なぜだ‼ なぜ踊りだすのか‼」ネズミが言った

ネズミ達が槍を下ろした

稲にありし日の葬儀を諭した

アジテーターが骨など舐めれられまい

ネズミ達がカエル達を見た

「我々は本分を逸してただ血を求めていただけだったのか‼ もしかしたら‼」ネズミが言った

「それは誰にも分からないわ。考えるのは後にして今はきっと踊ればいいんだわ‼」ココが言った

ネズミ達が踊りだすとカエル達ともみくちゃになった




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ