表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

異端審問そして救出

 翌日、異端者の処刑が行われるという放送が国内に向けて放送された。


『広場にて公開処刑を行う』


 普段は魔法の事以外には振り向きもしない魔法使い達がその処刑を見ようと広場に集まっていた。

 タチの悪い奴らだ、自分が処刑される時は多分、泣き喚いて命乞いでもするのだろうが、他人の事になると面白半分でそれを茶化す。


 俺が学園から出ようとした時、学園長の姿があった。俺を止めるつもりだろうか。

 しかし学園長の顔には笑みが浮かんでいた。

 そして、学園長の横を通り過ぎる時に学園長は小さな声で囁いた。


「帰ってきなさい。リリーを助けたら何が何でもこっちに帰ってきなさい。後の事は私に任せなさいな」


 学園長の言葉を聞いて肩を竦めると走って広場へと向かった。

 路地裏から屋根へ登り、屋根から屋根へと伝いながら広場の近くまで行くと魔法使い達が広場を囲んでいるのが見えた。

 その中央にはリリーが十字架に磔にされて、石を投げられていた。


「……」


 俺は詠唱具である薙刀を手に持つと、それを大きく天に向かって薙刀の刃を掲げた。


「ヘレル・グラヴィタツィオーン」


 天高く掲げた刃を屋根に突き刺すとリリーを取り囲み石を投げつけていた魔法使い達が一斉に地面へと押し付けられ誰一人立ち上がる事が出来なかった。

 屋根から降りリリーの前に立つと手や足に刺さっている大きな釘を抜き十字架から引き剥がした。


「おい、リリー! 大丈夫か?」


 服の袖を破り手足の傷穴に包帯を巻き背負い学園へ帰ろうとした時、目の前に雷と同時に1人の男が現れて。

 黒いローブを身に付け、大剣を手に持った俺よりも少し高い男がこちらを見るやいなや雷を放ってきた。

 それを同じく雷で相殺させると、男は溜息をつきローブを脱いだ。その中に着ていたのは国王から信頼を寄せられ近衛兵として国王に仕えているものが着るという金色の鎧だった。


「その女は異端者だ。今すぐ身柄をこちらに渡せ」


「断ると言ったら?」


「ふむ、それもよかろう。二人まとめて斬首だ」


 リリーを落とさぬよう近くの家の外に置いてあった樽の上にあったロープでリリーと自分を強く結び薙刀を構えた。


「魔術はあまり得意ではないんだ。剣術の方が得意でね」


「それはそれは、こっちは剣術より魔術の方が得意でな」


 お互いに雷魔法を発動させるとお互いの場所に落雷を落とした。

 どちらも雷を避けると近付き刃を交えた。

 

「なんだ、魔術も得意じゃないか」


「貴様も、剣術が得意ではないのか?」


 男を蹴り飛ばすとかリーチを活かし、横に一閃するが身を低くして避けられた。

 男は剣の側面に電気を発生させ地面に磁力を帯びさせると地面を物凄い勢いでこちらに向かってきた。

 近くにあった樽を足で倒し剣を防ぎ、思いっきり樽を蹴りあげた。

 すると男の腕はぐわん、と樽の蹴った方に向いてしまった。


「くそ……!」


「んじゃァ、あばよ!」


「我が名はアシャ・ミカエル! 貴様のその顔、覚えたぞ!」


 ミカエルね。

 樽から剣を抜こうと必死になっているミカエルに軽く手を振り少し急ぎながら学園へと向かった。

 異端審問会は国王の命によって動く。異端審問会の行動は全て国王の考えと思っていいだろう。だが解せない事がいくつかある。

 1つ、処刑の方法を最近行われていなかった火刑にした事。

 2つ、今まで何故、リリーを放置しておきながら今頃こんな行動に出たのか。

 3つ、学園長という監視員のがいたにもかかわらず、それを無視するかのような行動。


 まず1つめ、異端者はここ数年、斬首によって処されていた。火刑は魂をも地獄へ運ぶ方法。火刑は国家機密を知った等の重大な罪を犯した者に行われる。それをただの子供に行うと言う事はリリーが国の存亡を握る情報を知った。または国王への反乱でも起こすつもりかと思っている。とかか。

 2つめ、放置できないくらいの問題を起こしたか。それでも急すぎる。

 国は10年以上もリリー放置していた。

 3つめ、学園長の元にいれば安全だと思っていたがそうでもない訳か。だが、学園長のこの前の悔しそう顔は相当だった。それをこんな簡単に引き渡すのか。それか、学園長でも従わないといけない程の事なのかもしれない。


 そんな事を考えていると、いつの間にか学園についていた。

 学園長が門の前で申し訳なさそうに笑っていた。


「おかえりなさい」


「ただいま」


 とりあえず、リリーを医務室に連れていき治癒魔法を学園長にかけてもらっていた。そこで先程、気になった事を聞いてみた。


「そうねぇ。私も詳しい話はわからないのだけれど、リリーの事を伝えに来た人物が国王の側近だったのよ。それを見ただけで重大な事なんだろうと思ったわ」


「なにはともあれ、リリーを助けれた事がよかった」


「今日はゆっくり休みなさいな」


 学園長にリリーを任せると部屋に戻り、疲れた体をベッドに寝転び休ませていると、いつの間に寝てしまっていた。







────リュツィフェール

──────魔王様

────────お目覚めの時間ですよ

──────────あらあら、まだお目覚めの時間ではなかったですね。失礼致しました。

────────────良き闇夜の世界をお作りになるのは当分、先の事になりそうですわ。では──


「……夢……?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ