肩こりおばけ
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子「パパ、怖い!トイレ!」
父「うん、怖いのは分かったから、もう1回ちゃんと言ってみようか」
(また始まった)
うちの旦那は理屈っぽい。
最近は子供の単語喋りを直そうとしているみたいだけど、もうちょっと時と場合は選んで欲しい。
子「廊下が暗くて、おばけが出そうで怖いから、トイレに一緒に来てください!」
父「よし。じゃあ急いで行こう」
……あ、急ぐ必要があるのは分かってるのね。
パタパタパタ、バタン。
子「パパー、ちゃんといるー?」
父「いるよー。大丈夫、安心しておしっこしなー」
子「うんちー!」
父「そっか、うんちかー」
そこの単語喋りは指摘しないんだ……。
パパが面倒臭い人なのは子供ながらに分かっているので、大抵の事はこっちに来るんだけど。
ママも怖がりなのはバレバレなので、こういう時は素直にパパを頼りにする。
格付け?…………いやいやいや。
子「全部出たー」
父「そっか、良かったなー」
2人仲良く手を繋いで帰ってくる。うん、手順がいっぱい飛んでいる。
母「ちゃんと手洗った?」
子「あ、忘れたー」
母「パパも洗ってきてね」
父「はーい」
母「あと、トイレのドアも閉めようね」
父子「はーい」
2人とも返事はいいんだ。返事は。
ジャー、ふきふき、バタン。
子「ただいまー」
母「おかえりなさい」
スッキリ顔でソファーに座る父。
スッキリ顔で父に座る子。
仲良しか。
父「それにしても、2人ともなんでおばけが怖いの?」
母「え、なんでそんなキョトン顔で聞いてくるの怖い」
子「怖いー!」
噛み合ってないな。まぁいいや可愛いし。
父「だって、お化けって人間の魂な訳だよね」
母「まぁ、妖怪とか付喪神とかを別カテゴリとすれば、そうかな?」
父「で、人間の魂の重さは21gって言うじゃない」
子「そうなの?」
父「うん、昔、人が亡くなる時に重さが変化するかを調べた人がいたんだ。それで、亡くなるとほんのちょっと軽くなったんだって」
子「へー」
母「眉唾……ううん、それで?」
父「雀が平均24gらしいんだけど、雀って怖くないでしょ?」
子「うん」
父「鴉とか梟くらいになるとちょっと怖いけど、人間の魂って雀より軽いんだよね」
子「フクロウさんかわいーよー!カラスさんはちょっと怖い」
父「うんうん、そうだよね。で、魂は見えないからかわいいかは分からないけど、雀より軽いなら怖くないでしょ」
子「ホントだー!」
母「…………」
父「まぁでも、心霊写真で見かけるみたいにずっと肩に乗っていられると肩こりになっちゃいそうだから、おばけを見かけても近づいちゃダメだよ?」
子「はーい!」
母(……やだ、うちの旦那おばけとおっぱい同カテ……?)
明日は将軍危機一髪です。




