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ひねくれぼっちにラブコメなんて有り得ない!?  作者: 小鳥遊咲季真
ひねくれぼっち07「冬休み編」
37/81

36 年末年始

 冬休みはクリスマスから始まり、年末年始を挟んで三週間弱のお休みである。それと、北国の冬にはこたつはない。あれは本州の文化だ。個人的にはそう思う。こっちは基本床暖房、床暖である。床暖がなければ、ストーブ。床に敷く電気式のマットみたいなやつとかもいい。エアコンは無い。エアコンで暖を取ろうなど、そんなぬるくて寒いことはしない。最近の最新式のやつはなんかすごく温かいらしいけどな。エアコンも進化しているらしい。あとは、まあ、そうだな。フリースとかを着込んで、ぬくぬくと過ごすのだ。



 大晦日。紅と白の歌合戦をみながら、つゆだくのそばをすする。あと毛蟹を茹でてある。これは毎年恒例のやつ。大晦日にはうちの家族は毛蟹を茹でて食べます。



 おせちはお正月、一日からである。こっちの地方の人は大晦日から食べる習慣があるそうだが、しかし、我が家は違う。母親が内地の人だからかな。



「あっ、そういえばお兄ちゃん。茜、初詣友達と行くから」


「ほーん、そうか。いっといで、行っといで」


「お兄ちゃんは誰かと行かないの?」


「ん? おれ? いかない、行かない。一緒に行くような約束も、そんなやつもいないよ」


「えー、お兄ちゃんまだ友達いないの? 年越しちゃうよ」


「うるせぇ。ほっとけ」



 年を越しても、越さなくてもひとりぼっちはいつもぼっちだし。孤独なやつはいつまで経っても孤独なんだよ。



「でもさ、ほら。恋なんとかさんとか、いたじゃない。夏休み。お兄ちゃんと話してたよ。仲良かったりしないの?」


「恋……恋瀬川? 誰だそれは。いや、どこだ、それは。知らない。知らないよそんなところ」


「じゃあさ、渡良……さん? お兄ちゃんと話してたよ。仲良かったりしないの?」


「わた……渡良瀬? 誰だそれは。いや、どこだ、それは。知らない。知らないよ、そんなところ」



 どっちも利根川水系になるのかな。知らんけど。



「そっかぁ……あ、ほら、同性の人もいた。ほら、イケメンの人。あの人は、仲良かったりしないの?」


「イケメン……? イケメン、誰だそれは。香取……香取? なんだ、それは。線香か? 知らない。俺は知らないよ、そんなモノ」


「もう、しょうがないな、お兄ちゃんは。そしたら私と行く? ついてくる?」


「行かねえよ。小学生の群れについて行ってどうする。茜が誰かと行くなら、俺は一人で行くよ、今年は。いや、来年か?」


「そっか。わかった」



 妹はそれきりだった。テレビには男性人気アイドルグループが歌っていた。妹はそれに夢中のようであった。俺はそれを横目で見ながら、そばをすすった。






 


 ※ ※ ※









 ごーん、ごーん。



 除夜の鐘が鳴った。



 新年の到来である。



 海外とかだと、盛大に花火を打ち上げたり、カウントダウンをしたりして、それこそ盛大に新年を祝っているイメージが強いけど、日本はどこか(おごそ)かというか、物静かに、きちっと迎えるところが俺は好きだ。



 俺は居間にいた母親と妹に正座で深く礼をして、新年の挨拶をした。



 それから、今どきというか、なんというか、メッセージアプリもあけましておめでとうの言葉が並んだ。恋瀬川、渡良瀬との三人の生徒会・手伝いグループチャットでのやりとり。香取個人から。多々良個人から。それと大垣先生個人から。今年は親戚一同が集まる予定はない。だから、先生とも会う予定はなかった。だから、個人でメッセージを送ったのだろう。俺にしてはやりとりする人数がだいぶ増えたように思う。友達はいないが、しかし知り合いはだいぶ増えた。これなら妹との約束を果たしたことになるだろう。つまり、妹と俺との間に取って良い一年だったと言える。新年も良い年にしていきたいものだ。



〉初詣いかない?



 それは渡良瀬からのメッセージであった。俺はそのメッセージをみるなり、少し様子を見て返事をしないでおいた。やがてもう一つメッセージが来る。



〉いいわよ



 恋瀬川はオーケイということらしい。矢継ぎ早にもう一つ。



〉ふたみんは? 行こう!



 俺は仕方なく返信する。



〉いつですか。


〉明日! 今日だ!



 ……いつですか。明日ですか、今日ですか。



〉元旦に行きたいから、今日! 十時に駅前集合ね。



 駅前、か。



〉お参りは、神宮ですか。


〉もちろん! 頑張って起きてね、ふたみん。



 


 俺に遅刻は許されないらしい。やれやれ。


 

 〉じゃあ、おやすみ




 おやすみ。



 俺は寝る前に妹に一言初詣の件について報告してから、それから寝ようと思った。






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