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ひねくれぼっちにラブコメなんて有り得ない!?  作者: 小鳥遊咲季真
ひねくれぼっち03「学校祭編」
18/81

ex01 自主制作映画上映会

 一人の男が正面を向いて立っている。



 その男は赤いストラトのギターを提げて立っている。



 フィードバック奏法のノイズの音がハウリングして聞こえている。



 一つGコードを鳴らして、彼は言う。



「I Love you」



 と。



 そして彼は撮影しているスマートフォンに近づき、画面が揺れて動画は終了する。




 カメラは変わって、学校の屋上から校庭を映し、それから今度は校庭から学校の校舎を映した画角に。流れるように、するり、するりと切り替わる。そして、学校の教室で、放課後に一人で「I Love you」の動画を見る女の子の姿が。動画が終わると教室の扉が開き、女の子が振り返って微笑んだ。



 映画はそれで終わり、finである。



 告白の結果は如何に。想像にお任せである。



 そしてみんな大好きメイキング。参加したクラスの生徒の笑いや、役者をやった生徒へのコメントを求めるカメラのズームなど、半分近くがメイキングだった。要は身内ノリである。面白くない。なぜなら俺はその内輪に入っていないし、同じクラスなのにほとんど参加していない。メイキングの画面の隅にちらりと映ったか映らなかったか、その程度である。誤差みたいなものである。エンドロールのクレジットにすら参加していない。悲しいかな。



 群れることを良しとせず、孤独であることを善しとする俺にとって、クラス全員とか、クラスメイトとか、そんなことは至極どうでもいいことこの上ないが、しかし自分だけ仲間外れにされるというのも、それはそれで悲しいものである。矛盾した思考ではあるが、しかし人間らしい感情でもある。ひねくれている、そんなひとりぼっち。



「お兄ちゃん映って無かったね」


「そうだな」


「でも、映画は面白かったね。なんかドキドキした」


「そうかも、しれないな」


「じゃあ、次行こう?」


「ああ、そうだな」




 俺は妹が喜んでくれればなんでもいいやと、結局は最終的にそう思ってしまうので、結論なんでもいいし、どうでもいいし、妹以上に優先することがないので仕方がないのであった。



 祭りはこうして続いていき、映画鑑賞を終えた俺と茜は八組の銀河喫茶へと足を運ぶこととなる。

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