表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

読書をするに最適な場所

作者: 秋暁秋季
掲載日:2024/01/14

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

お昼代の鎬を削って、買ったのが喫茶店です。

という訳で、喫茶店も書生も出ます。

『もう飽きたよ!! ヽ(`Д´)ノ』

まぁまぁ、そう言わず、好きになってやって下さい。

とある日の午前、とある男女が逢い引きを行っていた。女は紅茶と聖マルコを、男は珈琲とレアチーズを、それぞれ静かに口にする。昭和味溢れるこの純喫茶に、BGMは何一つ掛かっていない。けれども換気扇のぶぅぅん……という蝿の唸り声と、それが突然に変化したきゅぅぅん甲高い叫び声だけが、雰囲気を醸し出す。まるで古めかしい小説に迷い込んだ様に。そしてそれを助長するかの様に、男は時代錯誤の書生姿だった。

女は三角型のマルコの先を静かに口にしながら、文庫の頁を捲る彼に一つの質問を問い掛ける。

「ねぇ貴方、読書をするに最適な場所を存じ上げない?」

「此処こそが最上だと思うのだが、君は違うのかい?」

男は目元を隠す様に覆い隠された長い前髪と、黒眼鏡の内側から静かに女を覗きに掛かる。女はその問い掛けに、口を真一文字に引き結んで困惑した。

確かに此処は物静かで、誰かの声が反響することは無い。換気扇の厳しい唸り声も、物語の中に突き落とすには最適だ。けれどもだからこそ、あえて身を引くという事も考えられるのである。

「雰囲気が良いと、それどころでは無くなるのです」

此処から漂う古めかしい匂いも、斑に色付いた壁の染みも、スカートから除く裸電球も、延々と怒り続ける換気扇も、何もかも、何もかもが女を夢中にさせた。それこそ目前にある文字の世界から、顔を無理矢理に背けさせてしまう程に。

此処ではない別の場所、博物館を訪れた時もそうだった。古美術から漂う甘い香りも、全てを遮断する大理石の壁も、眠りへ誘う優しい橙も、人々の反響する声や足音さえも、何もかも、何もかも、ただ女の意識を逸らすには十分過ぎた。

「ふむ。難儀だね。僕ぁ、この場所ならば読み物が捗って仕方がない。特に夢Qと大乱歩。んっふふ……」

犬歯を剥き出して、男の揶揄う様な物言いに、女は僅かに頭を垂れた。その反応を見て、男は読書をそっちのけで、女の様子を観察する。口許はくの字にしなっていた。

「まぁ別に、特段困る事でも無かろうよ。本がなくとも世界に没入出来る。支払った対価以上の物を得ることが出来る。それは誇っていい感性だよ。お嬢さん」

その言葉に救われた様に女は前の聖マルコに口を付ける。甘く、苦く、時折酸っぱい。ただただ最上品のチョコレート菓子だけが、彼女にたしかなものだと告げている。その複雑さは前に座る男の様に。


オマケ 質感責めしてみよう!!

「あの……何故その様なお姿で?」

時代錯誤な書生服に同色の和傘。都会の中でも本の街故目立たないが、此処から一歩でも出れば人目を引くその姿。

「? 普通では無いのかな? 少し前のトレンドなだけで」


「目を隠す必要はあるのでしょうか?」

髪は白く、豊かだった。それが前も後ろも長いと来た。その上鼻上にちょんまり乗った黒眼鏡。

「お天道さんの光が眩しくってねぇ。裸眼で練り歩くと目が痛くて仕方がないんだ。剣山で柔な目を突かれてご覧よ。ぼくのようになるから」


「『お嬢さん』と呼ばれるには、些か歳が過ぎているのですが」

「ん? 僕ぁ、女人の呼び方で好きな物が二つほどあってね。それが『お嬢さん』と『御夫人』なんだ。好きな物には一等好きな呼び名で呼ぶのが相応しいだろう?」

編集が此奴に怒ってない事を祈ります。

この書生、一見すると掴み所のない二枚目ですが、割と誰に対しても三枚目。いじられキャラ。ネタ枠とも。

紳士、という言葉からは外れますが、気遣いは出来ます。


好きな人は幾人かいるかも知れないけど、付き合う事はしなさそう。まぁ、悲しませるのがオチなんで。


肝っ玉母ちゃんとして編集がいるんで大丈夫。


『逢い引き』なんて使ってますが、ただ単に男女が会ってるだけで、デートではありません。


念願叶って、とある喫茶店でドグラ・マグラ読んだんですよ。

開始三頁で続かなくなりました。

『約1000円払って、この空気吸わなきゃ勿体なくない? 本読んでる場合じゃねぇ!!』

という私の心境。


純喫茶と博物館と神社の匂いが好きです。

寧ろ匂いを吸いに来てます。

鼻の穴を開いて吸う方の匂いと、雰囲気の二つです。

匂いフェチなのかも知れない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ