最初の町
私達が再び最初に居た町へと戻って来たときには
朝になっていた
「うわっ、もう朝じゃんこんなボロボロのエルフ
運んでたら目立つしな…一端町から少し離れよう」
「えー、また移動ーかよ…」
「軽いんだし文句言うな」
そして町に近い森へと身を隠した
「よし、ここなら大丈夫でしょ!」
「はぁ…疲れた」
「みーとゅー」
いや本当に…
まさか転生して異世界での最初が奴隷を盗むだなんて…
本当に疲れた…でも、
「まぁ奴隷手に入ったんだしいいか…」
「取り敢えずさ飯食べようよ飯」
「いやお金がないし…」
「お金がないにしてもここに居ても仕方ないし…」
確かに…ここに居てもどうにもならないのは確かだ
「それじゃあ町に戻る前に森の中にある池で
この娘綺麗にしようよ、
こんな姿のままだと変な目で見られるし
ボロボロ服は…町に行けば服屋位あるでしょ!
金はないけど…」
「了解、というか向かうのはいいけど
そろそろ自分で歩かせようよ流石に疲れた」
「それには同感
んじゃ、ねぇ君歩ける?」
私がエルフへと問いかけると
無言で立ち上がった
これは歩けると言うことだろうか
「それじゃあ行こうか」
「レッツゴー!」
私が左手古地が右手を持つようにして
三人で池へと向かっていった
~~~~~
「ふぅー…だいぶ綺麗になったね
それじゃ、服も水で洗ったから
少しは綺麗になったはず」
「まだ少し臭いけど大分良くなったね」
私達は最初の頃より綺麗になった
エルフの姿を見て達成感に浸った
お風呂掃除の際の達成感と近いものだろう
「それじゃあそろそろ
お腹空いちゃって死にそうだから町へ行こうか」
私は二人に呼び掛けた
「あの…ありがとう…ございます……」
その時エルフが初めて喋った
「別に良いよ私が欲しかったから盗んだだけだから」
そう言うとエルフは再び黙りこんだ
「それじゃ行こうか二人とも」
「了解」
「…」
~~~~~
「ここみたいだね」
「美味しそうな臭いがするな…」
また再び町へと戻ってきた私達は
一直線に酒場へと向かった
だが…
「これお酒かな…190コイン
多分190円くらいな?そりゃタダな分けないよね」
「料理も300コイン辺りからだ…
これじゃ買えないよ…」
困った…流石に料理やドリンクがタダな訳が無く
空腹が解決することは勿論無かった…
「どうするか…うーん…」
また盗むべきか…だが流石に2度目の成功は
あり得るだろうか…悩んでいると
「由良あれ見て!」
古地が何かを見つけたようで
大興奮して指を差している、一体何かと見てみると
「数量限定!超貴重!エルフ肉のステーキ!!!」
その横には「現在品切れ」と書いてある
「これだ…」