人気のない路地にて
「ん?あっちがやけに騒がしいのう」
「そうですね、恐らく私達の事かと」
「こっそり覗いてみるか!」
「おぉ…素晴らしく賢明な判断かと魔王様」
「じゃろ?よし!行ってみるのじゃ!」
~~~~~
「どれどれちらっと…
ふむふむ先程の人間が他の人間どもに
何かを伝えてるのじゃ」
「魔王様」
「どうしたのじゃ?」
「お角が大変目立っております、
もう少し頭を引っ込めてください。」
「なんじゃと?
これは妾の偉大さの証拠じゃ隠す必要などないのじゃ」
「もしその角が偉大さにリンクしてるはずなら、
魔王様の角の長さは小指程度かと」
「酷いのじゃ…」
「ですが!!!」
「!?」
「魔王様単体では、間違いなく小指レベルですが!
魔王様の頼れる配下であるアールアが居れば!!!」
「居ればどうなるのじゃ?」
「歴代の魔王様がたの……角の長さはわかりませんが!
歴代過去一となるでしょう!」
「アールア…」
「魔王様…」
「妾の偉大さよりお主の方が割合多くないかのう?」
「…はて?」
「『…はて?』じゃないのじゃ!」
「報告があった魔物とはお前たちか」
「…なんじゃお前?」
「私か?私は…」
「魔王様、見た目から推測すると
この人間はギルドの職員それも戦闘に関する方かと」
「…そうだ」
「そんなやつが何故妾達のもとにいるのじゃ?」
「『何故』か、面白いことを言うじゃないか
理由なんか一つだろそれは…」
「恐らく先程の人間が
この町のギルドへ報告したのでしょうつまりこの方は
私と魔王様が目的かと…って何故人間さんは私を
そんな睨んでらっしゃるのですか?」
「それは分からないのか…魔物とは本当によく分からん
そんなの決まってるだろ……!」
「嫌がらせかのように私の台詞に…
お前が被せてきたからに決まってるだろ!!!」
「…はい?」
「少しぐらいカッコ良く
説明をさせてくれたって良いじゃないか!
ひどい!悪魔!魔王!
これだから私は魔物は嫌いなんだ!!!」
「違うのじゃ人間…」
「…どういうことだ小柄な方の魔物?」
「気にしてるから小柄言うはやめるのじゃ!…こほん、
これはこやつの性格であって魔物全体の平均的性格では
ないのじゃ。
魔物の中には人間なんかより
よっぽどいい性格をしたやつもおるのじゃ!」
「そうなのか…」
「うむ!だから嫌うならこやつだけを嫌うのじゃ!」
ちなみにこやつは性格のせいで
多くの魔物達からも嫌われてるのじゃ」
「やっぱり…!」
「やっぱりとはなんですか人間さん?」