第八幕。三度、王の間にて。
僕たち三人は、先日国王を卒倒させた件で呼び出された。
「あれ、本当にクリビツだったよ。あの本を使ったらできた系なんだ?」
「はい、できた系に御座います」
国王もエイミーさんも、何で言葉づかいが俗な感じなんだよ……別にいいけど……。
「え、じゃあもしかして、この前急にパライソ山が消えたのもそれ?」
……。
まずい。
そう言えばあのこと、結局秘密にしてたんだった……。
「いえ、流石にそこまで大規模なことは不可能です」
エイミーさん!?!?!?!?
しれっと嘘つきやがった!!
この人こええええええええ!!!!
「そうなんだ。まあ、さすがにそうだよね。何だったんだろうね、あれ」
……よかった、国王、信用してくれた。
……いや、うーん……よかったのか……?
「まぁいいや。そう言えば、あの本でできることを『魔法』って言って、そういうのをまとめて『魔術』って呼ぶらしいんだけどね」
ほう、『魔法』に『魔術』――あれはそういう名前だったのか。
「あの本、これまで誰も読めなかったからさ。でも、君らならイケるかもと思ってダメ元で渡してみて、正解だったよ」
あっ、ダメ元だったんですね……。
……いや確かに、僕も今でこそ理解しつつあるけど、僕一人だったらまず図書館の参考文献にたどり着けなかったもんな……。
「君ら、ゴイスー。何か欲しいものある? 何でもあげるよ」
「勿体無いお言葉。それには及びません」
クラリッサさん!?!?
何でこの人いつも肝心なとこで返事早いの!?!?!?!?
しかもそこは及んでおこうよ!?
僕ら今めちゃくちゃ凄いことしてるよ!?
貰えるもんは貰っとこうよ!?!?
「そう? まあ何かあったらいつでも言ってね。それで、魔術使ったらリヴァーレ国やっつけるのはできそう系?」
「はい、できそう系に存じます」
国王とエイミーさんの言葉づかいがさ、いやいいんだけど、やっぱちょっと気になっちゃうんだよなあ!
「おっ、いいねえ。じゃあまあ、ワシが生きてるうちに頼んだよ」
そこなんだよな!!!!
国王がいつ亡くなるかなんて知らねーんだよ!!!!
「そのことについてですが……国王はいつお亡くなりに?」
……。
聞いた!?!?!?!?!?!?
エイミーさん聞いたよ!!!!!!!!
普通聞けねーだろ!?!?!?
この人やっぱ色んな意味ですげーわ!!!!!!!!
「えっ……うーん……」
……。
いやそりゃそうなるよ!!!!
どうするんだよこの空気!!!!
「……………………頑張る!」
……。
答えになってねえ!!!!!!!!!!
――とりあえず、打倒リヴァーレ国を目標に、魔術の研究を進めるということで話は落ち着いた。
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