第一幕。王の間にて。
■はじめに
本作に興味を持っていただき、ありがとうございます。
ギャグテイストではありますが、舞台設定はそれなりに固めてあり、また極力読みやすい表現に努めているつもりですので、少しでも読み進めていただければ嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
2020/07/12 初回掲載。
2020/07/15 第一幕の文体、表現等を全体的に見直し、改稿(大筋には変更無し)。
ある日、僕とエイミーさんとクラリッサさんの三人は国王に呼び出された。
聞けば、この三人で隣国を滅ぼして欲しいと。
それで、今。
三人横並びで片膝ついて頭を下げて。
重くて長ーーーーい沈黙が流れている。
……何? 国王、本気で言ってる?
はいともいいえとも答えられないんですけど??
――。
――――。
――――――。
ねぇ何分経ちました?
時計見ていい?
国王の前だけど顔上げて時計見ていい??
沈黙を破ったのはエイミーさん。
「あの――」
よし! いいぞ!
この際何でもいい!!
頼む、この無茶振りを何とかしてくれ!!
「――期限は?」
……。
いや違うじゃん!!!!!!!!
待って待ってそこじゃない!!
それ聞いてどうするつもりなの!?!?
「えっ……うーん」
えっ、て言った? 今言ったね? えっ、て。
ねぇ、おい。おい!!
国王、コラ、おい!!!!
それで何考え込んでんの!?
ねぇ、何? 何なのこれ??
「じゃぁ……よし、ワシが死ぬまで!」
……。
やめろよ!!!!!!!!
もうどこから突っ込んでいいかわかんねーよ!!!!
「承知しました」
クラリッサさん!?!?!?!?
あった!?!?
今の話で承知できるところあった!?!?
――っ。
まずは――まずは少し冷静になろう。
顔を上げて。
「大変恐れ入りますが、もう少し詳しいお話を」
「オッケー!」
軽っ!!!!!!!!
ノリかっっっっる!!!!
返して!!!!
ねぇ返して僕の冷静!!!!
「だってさぁ……知ってるでしょ? リヴァーレ国とずっと冷戦状態なの。今年で何年目だっけ? 忘れちゃったけどさ」
51年目ですねえ!!!!
ぴったり50年を昨日迎えました!!
だから今日から51年目になりますねえ!!
というかこれ、学校で結構しっかり教わった記憶があるんですけど!?
忘れちゃって良いやつだったんですね!?!?
僕の覚え損かな????
「それでさぁ、もう、嫌じゃん? 何かさ」
――。
――――。
――――――。
えっ? 終わり?
……。
感覚じゃん!!!!!!!!
完っっっっ全に感覚じゃん!!!!!!!!
無いんだ!?!?
複雑な事情とか無いんだこの話!?!?
「だから、ヨロピク☆ 他の人には内緒ね!」
……。
――こいつ今ここでやっちゃっていいですか?
深夜テンションで筆を執りました。