登場人物及び、用語解説
登場人物と作中の用語について解説します。
ネタバレは極力避けたいので、人物に関しては基本情報しか載せてません。用語は世界観を理解しやすくなりますが、作中の説明でも十分分かります。
話の進度で人物追加、あるいはその2を作るかもしれません。
《用語》
《悪魔狩り》
世界に蔓延る魔物、悪魔、魔王を殺して生計を立てる人間の総称。基本的にギルドに所属して、そこを通して仕事を受けるが、国家や金持ちと専属契約する者や野良で活動する者もいる。
《悪魔狩りギルド》
《悪魔狩り》に仕事を斡旋したり、魔物の素材の買い取りを行う組合。全ての《悪魔狩りギルド》の元締めは中立の宗教国家になっているため、世界中どこに行っても同様のサービスが受けられ、特定の国が優秀な人材を囲い込むことを防いでいる。
《等級》
ギルドに所属する者には《等級》があり、最弱のEから最高のAの五段階に分かれる。等級によって行ける場所や受けられる依頼が変わる。
この五段階以外にSという等級もあるが、これはスペシャルのSではなく、ストラテジックのSを指し、大局的な戦略に影響を与える《加護》を持った《悪魔狩り》にのみ与えられる等級となっている。なのでAの上がSというわけではない。例えば、「周囲の天候を常に雨で固定する」や「指定した地域の植物の生育を助ける」などの《加護》がこれに当たる。
Sの《等級》が与えられた《悪魔狩り》は、特定国家の囲い込みがないようにギルドから多大な恩給が与えられ、その代わりに厳しい監視下に置かれる。
《加護》
悪魔の持つ《魔術》の代わりに、人類の中に見出だされた特殊能力のこと。
《加護》は全ての人類に最大で3つ、最小で1つ発現する可能性がある。発現した数が多いほど一つの力は弱くなり、少なければ同じ系統のものでもより強力になる。
また普遍的に使えるものよりも、発動条件等が限定的なものが強い傾向にある。
《加護》はその全てが戦闘向けなわけではなく、「料理がうまくなる」「何を食べても腹を下さない」「人に好かれやすい」といったものまで多種多様。基本的には恩恵を与えるが、たまにデメリット付きのものもある。
《悪魔狩り》になるものは戦闘に特化した《加護》持ちが多いが、大がかりなパーティには、裏方として非戦闘向きの《加護》持ちがいることもある。
《燃え殻の髪》
《悪魔狩り》の中でも才能がある者たちを集めて教育する機関であり、そこで教育された者たちの総称でもある。
名前の由来は、教育の中で受ける特殊な医療や《加護》の行使によって髪の色素が抜け落ちて真っ白になっていくことから。髪の色が白に近いほど強いと言われている。
教育を終えて、現場に出るものにはグレイマンの姓を名乗ることが許され、これが彼らにとって一流の証となる。
《踏破者》
《燃え殻の髪》の中でも最も強い上位50名だけが名乗ることを許される至高の称号。階級は倒した悪魔の数や質、踏破した《魔界》の深度、人類社会への貢献などで変動する。称号を手に入れた《燃え殻の髪》は、他の《悪魔狩り》とは一線を画した報酬と、将来の指導者としての地位を約束されることになる。
名前の由来は、人の領域を《踏破》したような圧倒的な強さから。
一度でも50位以内に食い込めば永続的に《踏破者》を名乗れるため、何とか50位以内に入ろうとする《燃え殻の髪》たちによって《踏破者》は常に命を狙われる立場となる。
組織も新陳代謝の観点から上位陣の潰し合いを黙認しており、自分よりも上位者を倒せばその順位と入れ替わることができるので、同じ《踏破者》同士でも常日頃から潰し合いが起きており、それが上位陣の強さを更に高めることに繋がっている。
《魔界》
魔力に満ちた、人が住むのに適さない魔の者たちが蔓延る土地の総称。
その魔力の濃度に応じて深度1から9の等級が与えられる。1が最も浅く、9が最も深い。
浅い魔界はほとんど通常の土地と変わらないが、深くなると気候や植生が変わり、深部《魔界》になると、物理法則すらねじ曲がり、対策無しではまともに動くことすら困難になる。
《魔物、悪魔、魔王》
《魔界》から生まれた魔力を持った生命体のこと。その全てが人類の天敵。
魔物は最下層の存在であり、知性を持たないものが多い。死後に死体が残り、その一部が素材として取引される。
悪魔は知性を持つ中高位の存在であり、人と対話することも可能。魔力を使って魔術を行使する者もいる。死後に死体が残らず、魔力を残して灰のように消える。その魔力から新たな《魔界》が生まれることもある。
魔王は悪魔の上位種であり、一線を画する存在。最大の特徴は殺されて消滅しても、時間が経つと記憶を引き継いで復活することができる点。ゆえに魔王がいる限り人類と悪魔の戦いに終わりはなく、彼らの殲滅が人類の悲願である。魔王がいる場所は自動的に《魔界》が形成され、死後も魔力を残すため深度の深い《魔界》が生まれやすい。
現在確認された魔王は全部で42体で、世界にある魔力の総量の関係から、同時に顕現できるのは最大で10体以下だと言われている。
過去の記録から、顕現している魔王の総数が減ると、更にそれを超える強さを持つ《魔神》と呼称される存在が現れると噂されるが、近代史上その存在は確認されていない。
《登場人物》
アッシュ・グレイマン
本作品の主人公。年齢は二十代半ば。身長は180弱で筋肉質なため体重は重め。髪はほぼ白髪に近いグレーの短髪。適当なカットでボサボサ。顔立ちは整った方だが表情は覇気に欠け、水揚げされて丸一日経った魚のような目をしている。
魔物、悪魔、魔王を殺して生計を立てる《悪魔狩り》の中でも、才能に優れた者を召集、教育する組織である《燃え殻の髪》出身で《踏破者》にもなったエリート。最高で序列4位にまで登り詰めたこともあったが、現在は組織を自己都合で退職して無職状態。ギルドにも無所属。
円満退職ではなかったため色々トラブルを抱えており、普段はアッシュ・コールマンの偽名で過ごしている。ちなみに、姓だけが偽名で名前を変えなかったのは、フルネームで偽名だと自分が呼ばれても気付かないということが多々あったから。
持っている《加護》は一つだけで近接戦闘特化型。搦め手に弱い部分は頭脳と経験でカバーするタイプ。
ミリア・コルド
本作品のヒロイン(?)。年齢は十代半ば。身長は150強で細身。透き通るような青銀の長髪が特徴。顔立ちは年齢以上に幼く、言動も幼いため実年齢よりも幼く見える。
《魔力持ち》という特異体質で、体内に魔力があるので魔物から同族扱いされて狙われにくい。使える《加護》は《氷雪操作》。
基本的にアホの子であり、咄嗟の判断が要求される会話ではよく墓穴を掘ってアッシュからアホ呼ばわりされる。一方、記憶力は悪くないので、じっくり考えてからの発言に関しては割りとまとも。
《悪魔狩り》としてギルドに所属するが、戦闘における緊急時の判断の遅さや、上記の体質のこともあってそこまでの才能はない。