クエストの後
第6話
帰ってきて、素材アイテム『ハガネアリの体表』をギルドに渡す。
「これがクエスト達成報酬、6000キンスです。」
「どうも。おいアイリ、3000ずつでいいか?」
アイリに尋ねる。
「いえ、2000と4000。そして4000をあなたに。」
「なんで?」
「あなたは駆け出しでしょう?武器や諸費用がかかるもの。私は蓄えがあるから。」
「じゃあ、ありがたく。」
「ええ、じゃあ、また明日ここで。」
アイリと別れ、ここからは個人の時間。ギルドから出てまず武具店へ。店主に
「ガラスの片手剣ってあります?」
「ガラスか・・・うちにゃねえな。」
この世界にもガラスはある。しかし素材の珪砂、ソーダ灰、炭酸ナトリウムが少ないのだ。
「作ってもらえますか?」
「ああ。かのハガネアリスレイヤーさんにゃつくらなきゃ失礼ってもんだろ!」
マジか。もう噂が広がってやがる。
「そりゃどうも。どんぐらいかかります?」
「1週間で1万もありゃ、ガラスの片手剣はできるぞ。」
「わかりました。じゃあ1週間後に。」
そう言って、店を出る。今日はもうパーっとやると決めた。
そう思い、酒場に着く。
「デビルクラブの唐揚げ、キュウリ漬け、エールを」
「かしこまりました。」
10分後、料理が来る。デビルクラブは殻が固く、ハサミの強さからその名がつく。身は上品なお味でプリプリだ。そして祖国の味、キュウリ漬け。まさかここで出会うとは・・・。この歯ごたえと塩味がたまらん。そしてそれを一気にエール(こちらのビール)で洗い流す。一瞬で苦みが通り過ぎ、
「~~!?はあ~」
と変な声が出る。もう1回、もう1回と繰り返すと腹一杯。今夜はもう宿屋に戻って寝るか。
こうして、俺の夜は更けていった。
すいません!「スイヨウエキニンゲン」と間違えて投稿してしまいました。できれば「スイヨウエキニンゲン」の方を読んでから見て頂けると幸いです。