異世界人、ゲーセンに行く
第4話
「いやー、本当ありがとうね!初日からチンピラ追い払ったり大変だったね。これ1週間分のお給料ね。これからもよろしく頼むよ!」
ちんぴらって何だ。この前優理がくれたごぼう・・・だったかな、とにんじんの炒め物か?まあ何はともあれ、お金はありがたい。しっかり頂くとしよう。
「ああ、あと今日はお休みでいいからね。」
なぬ。金の他に休暇もくれるか。これは非常にありがたい。
「ありがとうございます。」
早速部屋に戻り中身を確認。今回はちんぴらを追い払ったから倍の給料で22万。途中から1日中ずっと働いていたから、日々万単位で稼いでいたらしい。優理いわく、『多い方がいい』らしいので、まあいい方だろう。さて、このお金は家の諸費用と家具と・・・
「おっ、給料ゲット?じゃあ俺と出かけない?」
どうやら、俺の休暇はこいつに付き合って消えるらしい。
「さあ、やって来たぜーー!」
俺はただキダに(強制的に)ついて来た。ここはサンライズシティ川袋。その中のげーむせんたーという所に来ていた。
「ここでナロくんにしてもらうのはコレ!『ドラムの怪人』です!」
何やら大量の太鼓と平たい金属がついたものと椅子がおかれ、その前に光る板。中で太鼓の怪物が『今週の人気曲を教えるジャーン!』と叫んでいる。
「これをだね、こうして・・」
慣れた手つきで100円を入れる。棒で太鼓を叩き、音楽が流れる。と同時に大量の丸が流れてくる。キダはそれを見るなり残像が見えるほどの速さで腕を振る。2分後、『フルコンボ!』と声が聞こえた。
「まあ、ざっとこんなもんよ。」
キダは格好つけてそう言う。俺もやってみたくなってきた。100円を入れて始める。
「最初はこの曲がいいよ。」
キダに教えてもらった曲を叩いてみる。ふーむ、これなら
「キダと同じ曲はどれだ?」
キダはびっくりした後選択してくれた。流れて来た丸をひたすら叩く。
『フルコンボ!』叩き終わると同時に多きな音が響く。
「すげぇ、初見でフルコン・・・」
キダもびっくりした表情を顔全面に浮かべている。
「そんなにすごいのか?」
「ちょーっと待ってもらおうか!!!」
観衆の中からおおきな声が上がる。叫んだ者は眼鏡をかけ、頭に布を巻き、軽く息切れをおこしている小太りの男。
「この川袋のオタク3銃士が1人、ドラ怪の阪井!この我が輩と勝負してもらう!」
「は、はあ!?」
こいつは一体何を言っているのだ?俺何か悪いことした?
「言わなくても分かるわ!お主の髪から我らと同じ匂いを感じるのだからな!」
髪。確かに髪は魔術師からすれば大切な物だ。髪は触媒になるからだ。俺の髪は長髪。そして金髪に次いで魔力の高い白髪だ。
「お主、さては『とある』の双方通行か『デアワ』のメイザースだろう!」
「キダ、奴は一体何を言っているのだ?」
「多分、『とある魔法のインボックス』のダークヒーロー双方通行、そして『デート・ア・ワイフ』の最強女性魔術師エドワード・N・メイザースだと思う。」
何?女性だと?
「いいぜ。その勝負受けてたとう。」
こうして勝負することとなったナロクと阪井。勝負の女神はどちらに微笑むのだろうか・・・
第5話に続く