異世界人、飲み会へ行く。
第9話
「飲み会?」
「うん。みんなでお酒飲んだりご飯食べたりするの。紀田も呼んでるから、一緒に行こう?」
ラッシュをさばききった俺は、ユウリにノミカイに誘われていた。一応店長もいるし、お店は他の社員の人がやってくれるらしい。
「行く。」
「やったあ!予定は今夜8時からだから。それまでじゃんじゃんばりばり働こう!」
かくして迎えた8時。ノミカイは「和人」というイザカヤで行われるらしい。ユウリについて行き、エレベーターに乗る。自分の部屋に行くまでにこれが使えればなあ・・・
「着いたよ。」
エレベーターから降りると、大きな声で歓迎の声。ナイントゥエルブでやったら間違い無く苦情がくる。
「こっちこっち!」
「いらっしゃ~い」
キダと店長に呼ばれている。
「こんにちは。」
「いや~もう飲んじゃってるよ~」
キダ、もう飲んでた。
「一応、止めたんだけど。まあ、僕も飲んでるんだけど。」
唯一の良心が!
「あ、私はウーロン茶で。」
お酒は20才から。ユウリは19才だからウーロン茶だ。俺も飲みたいけど、こっちじゃ俺は18才。飲酒は犯罪、ゴンダのお世話になっちまう。
「オレンジジュースください。」
「ジュースかよ!まあ、しょうがないか!」
こうして、俺たちのノミカイははじまった。
「そこで俺はこう言ってやったんですよ!・・・店長!聞いてるんですか!」
「ねえ、ナロくん。私のこと・・・好き?」
「ナロくん、明日からシフト、もうちょっと融通きかせようか?」
はじめて2時間。俺以外の全員が酔っ払っていた。キダは店長に自分の自慢話を聞かせ、店長は明日からの仕事の話。これが噂に聞くショクギョウビョウか?そして酒を飲んでいないユウリは雰囲気で酔っていた。そして俺を口説こうとしている。何コレ?地獄ですか?
「ね、ねえ、もう帰りましょう?」
「そうだねえ~」
どうにか店長が会計をすませ、家に帰る。
「ふいー、ただいまー」
「おかえり~」
後ろからの声。振り向くと・・・キダとユウリがいた。
「お邪魔しま~す」
「邪魔だ!帰れキダ!」
「ナロくん。二次会しよ!」
「やらないよ!帰って!」
「ははは!やらないか!」
「もー!」
悪夢のニジカイは、朝まで続いた・・・