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5 今 彼の者は・・・・

俺の肩に、紋様が色好き形を取りだし現れた・・・その日、フールに別れを告げた。フールの側にいると、今までとは違う程、心に安息があったが・・・・・・・


あの日、災害級を結界で押さえてる夫婦がいた。倒す力が無いが、防ぐ力はあったのか?部下が夫婦を見つけ、言葉を掛けると部下を見 微笑んだ。その後は、夫婦の力も尽きた。それと同時に、災害級が町に押し寄せてきた。



王都から精鋭を連れてきている。災害級ごときに遅れをとる者などいない。数日も経たぬ間に、討伐した。原因は迷宮が出来たのだが、2つの迷宮の災害級と上位ランクの魔物の入り口に、この町の森に抜け出た形になってしまった。


そこから 災害級の魔物や、ランク上位の魔物があふれ出た。それはひとたまりも無いだろう。町は、孤立化していたが、かなり魔力の持ちし物の結界で防げていたのだな。


一人 両親の死で悲しんでいた者がいた、それが先程の結界を、作った夫婦の子供だ。娘はフールと呼ばれていた。町の者達も、かの者の両親に助けられた者達が多く恩義がある。その為 娘は、町の物に手助けをされ、生きていた。


数日経ち、魔物のランクも落ち着きだした頃、森の奥から歌声が聞こえてきた。音を立てずに近づくと、フールという子供が、両親の墓の前で歌を歌っていた。こんな夜更けに、ましてや災害級の魔物が落ち着いたと言っても、まだ他の魔物がうろついている。危ないと思い声をかけようと思ったが、静かに泣いてるかの者を見て何も言えなくなった。


町で見かけても明るく、町の物に助けて貰いながら、けなげに生きているかの者から、目が離せなくなった。


それから 毎日夜更けに、かの者の後をつけ、墓の前で歌うかの者を見守るのが、当たり前になってしまった。


それが数日続き、雨が降っている夜、この日は無いであろうと思っていたが、森に かの者の気配がした。慌てて後を追う、すると雨がひどくなるが、かの者は動かなかった。もう、そのまま立ちすくんでいた。不意にかの者が、墓の前で倒れたのを、抱え込み。我が滞在中の宿に連れて帰ってしまった。


体を魔法で乾かし、薬を飲ませる。かの者が息苦しそうにしていたので、服を脱がす・・・・まだ幼き少女だと思っていたが、胸の膨らみや 腰のくびれを見て少女から大人の女の段階だと分かった。


そう思うと一気に感情に色がつき始めたのが分かる。番の印が無いか調べたが、まだ持っていない。だが心では彼女だと思っていた。


数日彼女は熱にうなされていたが、熱が下がると。礼を言い出て行こうとした。それを止め、彼女を組み敷いていた。その後は 戸惑う彼女を自分の者にし、なし崩しに全てを手に入れた。


その後は、町に粗末な家を借りたが、フールはとても喜んでくれた。俺の世話を焼くために 王都から来てる執事夫婦が近くにいたが、俺はフールが待つ家に毎日帰っていった。


だが一年経ち、町も落ち着き始めた頃、王都から再度帰還命令が出た。何度もでていたが、全て無視をしていた。俺が、この町の後始末に一年もいるのが、おかしいのだが・・・・それも分かるが、全てをはねつけここに残っていた。だが、それもまかり通らなくなっていた。今度は、王命での帰還命令だ。フールも連れて行こうと思っていたが、フールに印 紋様さえ無かった事で、番しか見えなくなる。その前に 勝手だが、フールに別れを告げた。フールは驚いていたが、すがりついても来なかった。フールには、贅沢さえしなければ、これから先は困らぬ程の金を持たせ、もし他に何か願うなら叶えるよう指示を出した。するとフールが、家の何かを一つもらって良いかと聞いてきたそうだ。


家全てをフールに渡すことにし、全ての物については、未来永劫問わぬと、契約した。


そのまま、その日を境に町を後にした。が・・・・王都に戻っても、紋様の番が名乗り出る事は無かった。


幾度も呼びかけた、紋様を印に乗せ、結びつける。その形を紐解けるのは、同じ紋様を持ちし者だけ。これに関しては、持ちし者 待たざる者も 解ける。それなのに何度も呼びかけるが、一度でも答える者はいなかった。


数日 数ヶ月 経っても、紋様の印に反応さえもしてくれなかった。それを 不思議に思うが、考えるのは、あの町に残してきたフールのことだ、番が見付からぬ事よりも、今のフールの様子が気になる。


私兵と諜報にフールの特徴を良い、町に探しに何度か探しに行かせた。全てがフールに会いたい、ただそれだけのために・・・・本来ならば、番のためにと思うのだが・・・・会いたいのは、フールのみだった。


数日待ち フールの報告書が上がってきた。フールは行方知れずと書かれていた。目の前が真っ暗になる。震える手で、その報告書を読み進める。


あの日を境に、フールは町を出ていた。両親の墓にも来た形跡も無く 墓は町の者達の訪れのみになっていた。家の中は、埃がかぶり、誰も住んでいなかった。そして可笑しいのは町の者達だ、フールのことを聞いても誰も知らないと話し、そんな人物いたことが無いと言われたそうだ。その後も、探したが、手がかりが無かった。確かに、あの町に、フールがいたのに・・・


ならば、フールは何処に消え、何を持って行ったのだ?宝物を持って行くと話していた、今はその宝物さえも何かは分からない。家にあった物全てを持ち替えらせていたので、それを調べるために執事夫婦を呼びつけた。


「アル様。フール様は、あの日・・・アル様が屋敷に連れてきたままの格好で、出て行かれていました。両親の形見の鞄を持ち、私達に礼を言い。フール様の、鞄の中身も見せていただきましたが、不審な物は何も入っておりませんでした。」そのままメイドは泣いてしまった。


「アル様。あの後、私めも気になり、家の全ての物を見ましたが、アル様が お贈りになった物や元々の物さえも、何一つ無くなっておりません。あれ程大事にされた、手紙すらも ここにあります。」とフールが我の手紙を大事そうに入れていた箱を開けてみた。


そこには、手紙 我が初めて贈った、お菓子の包み紙さえも置いてあった。宝石 ドレス 調度品 どれもこれも全てが、手つかずのままだった。そして、あの革袋に入っていた、金さえも一枚も無くなってはいなかった。


では何を、フールは持って出て行ったのだ?一体何を?そのまま・・フールのことを、さらに探してもらうために、信頼できる者を、町にもう一度向かわせた。


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