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第67話 パープートリオ、魔王と久闊を叙す


レノンのあいさつに硬直している召喚された3人、そんな彼らにレノンは苦笑する。


「いやー、実はこの世界に転生してね、今はここで教皇やってるのよ。忙しいところ急に呼び出しちゃって

ごめんねー」


「て、転生って、、、そんなラノベみたいなこと、、、、」


「でも魔王さま、どう見ても綾香さんそのものですよ」


ますます混乱する3人、レノンは更に衝撃的な言葉を告げる。


「実は、この世界に転生したの私だけじゃないのよ。前世とは容姿が変わっているけど、魂は間違いなく

前世を引き継いでいるわ」


「えっ! 他にも一体誰が、、、」


「まさか、まさか、、、お姉ちゃんたちが、、、、」


そして、3人の前にレーナとエリスが進み出る。


「はっはっは、久しぶりだなドラコよ。それにイリスとニールも息災で何よりだ」


「ニールちゃん、わたくしも再会できてうれしいですわ」


レーナ達の言葉に3人は息を飲む。容姿こそ変わっているが、その中身は前世と全く同じであることを

直感したのだ。


「まさか、お前イザベルかー!」


「隣りはラミリアお姉ちゃん、、、うわあああああああんっ! 会いたかったのじゃー!」


ドラコは絶句し、ニールは号泣しながらレーナ達の元に飛び込んでいった。イリスも涙ぐんでいる。もちろん

レーナ達も久々の再会にしばし涙が止まらなかったのである。


「なるほど、この世界はツーロンというのか」


「そうだ、人族だけでなくエルフやドワーフなどもいるぞ」


「まあ、ラノベによくあるテンプレな異世界よねー」


感動の再会の後、落ち着いた彼らは事前に用意していたテーブルで歓談中であった。レーナ達はこの

世界の概要を簡単に説明していく。


「そうか、イザ、、、、今はレーナだったか。また竜騎士になったんだな」


「うむ、その通りだドラコよ。この世界の神竜たるシャインと魂の盟約を結ぶこと叶ったぞ」


何だか自慢げにドヤ顔で言い放つレーナに対して、シャインの方は何だか疲れたような表情だ。


「シャイン殿、、、こやつまた何かやらかしたのか」


『ああ、実はな、、、』


「ちょ、ちょっと待てシャイン! 別に大したことはしてないぞ!」


レーナが慌てて止めるも遅かった。シャインは自宅の水晶宮を全壊させられたことなどを洗いざらい話して

しまった。


「そーよねー、王国の訓練場壊した話もスタックさんに聞いたし、あんた本当なら今頃牢屋の中よ。いや、

首ちょんぱでもおかしくないわね」


「おま、、、転生しても変わんねえな、、、、」


「ぐっ、、、このレーナ一生の不覚、、、」


”一生の不覚”を前世から何度も繰り返しているレーナだった。


「それでだ、俺たちを召喚した理由は一体何だ」


「そうですよ。まさか、”魔王の脅威から世界を救ってくれ”とか、そんな理由じゃないでしょうね」


『レーナよ、我らドラゴンまで総動員して召喚魔法陣を起動させたのだ。それ相応の理由があるのだろうな』


そんな彼らの疑問に、レーナ達はあっさり答える。


「ふっ、愚問だな。もちろん宝来軒の半チャンラーメンを食べるために決まっておろう」


「私はとりそばにビールね。あ、まだ赤い星のラガー日本にあるの」


「わたくしはチャーシューメン大盛りに餃子がいいですわ」


「「「「「「「「「はえっ!」」」」」」」」」


パープートリオ以外の面々は、妙な声を上げてしまった。


「はあ、この世界の魔王なぞとっくの昔に倒したぞ。思ったより弱くて期待はずれだったがな」


「うん、その言い草そなた間違いなくイザベルの生まれ変わりだな、、、」


『レーナよ、、、たかが食べ物のために我らまで総動員したのか』


シャインの”たかが食べ物”というワードに、パープートリオはピクンと反応する。


「何たわ言を抜かしておるのだシャイン! 宝来軒こそ日本、いや地球世界が誇る妙なる美味であるぞ。

そなたも一口食べてみればわかる。そのセリフ、まずは半チャンラーメンを口にしてから言うてみよ!」


「そーよ、宝来軒こそ食の地球遺産なのよ! ああ、、、夢にまで見たとりそばがもうここに、、、」


「うふふ、ジューシーなチャーシューと肉汁溢れるハフハフの餃子がまた堪能できるとは」


『お、おう・・・・』


よだれを垂らしながら詰め寄るパープートリオの迫力に、さすがのシャインもコクコクと首を縦に振ること

しかできなかった。


「あ、ドラコさんにはもう一つお願いがあるの。こちらの料理人に宝来軒のレシピ教えてくれるかしら。

もちろん報酬は用意してあるわよ」


「それはかまわんが、、、我らは日本に戻れるのか」


「ええ、召喚した日時と同じ日に戻すから心配しないねで。それは教皇レノンの名の元に約束いたします」


「実は、ラーメンや餃子のレシピは教えたのだが、とても宝来軒の味には及ばなくてな、、、、」


日○屋や○将などチェーン店レベルの味までは再現できたのだが、さすがに専門店秘伝の味の水準に

行きつくことはできなかったのだ。まあそういうことならとドラコも協力の意を示した時、地下空間に何やら

ガチャガチャという音とともに神聖騎士団の面々とゼノア枢機卿が姿を現した。


「教皇猊下、一体何事が起きたのですか! とてつもないマナの波動が、、、、この建物はなんですか」


そして、ゼノアは見慣れない3人組がいるのに気がついてしまう。


「その角といい背中の羽といい、貴様らは何者だ!」


「くははははっ、我こそはフェアリーアイズ最強の魔王ドラコヴィッチ・パロマ・ファンデリック・カラヴィーナ・

デモン14世であるぞ! さあ、矮小なる者どもよ膝まづくがよいわ!」


「私は魔王さまの妻にして、魔王軍近衛部隊長イリスと申します」


「妾はドラコパパとイリスママの娘、魔王ニールなのじゃー」


そう大仰にあいさつをかます3人に、ゼノアの顔色が見る見るうちに真っ青になる。


「そんな、そんな、、、魔王が二人も、、、もう世界は終わり、、、、」


バルダックなぞ比較にならぬほど強大なマナを持つ3人に、ゼノアは卒倒してしまう。


「きゃあ! ゼノアさん大丈夫!」


「こらっ! そなたらセノア殿を脅し過ぎだ! エリスよ気付けの術式をかけてやれ」


「はい、レーナお姉さま」


かつてのような賑やかな時が、戻ってきた瞬間だった。


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