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第54話 令嬢、竜の試練に立ち向かう


神魔の森を踏破し、いよいよ神竜が住むと伝えられている山脈に足を踏み入れたレーナ一行、ルーディの

ガイドもあり、順調に山行を続けていく。


(あるじ)よ、ここで我ができるのは案内だけだ。悔しいが竜の前ではこの我も赤子扱いだからな」


「心配するなルーディ、この私が守ってやるから案内に集中してくれ、おっと、もちろんテスラも守るからな、

調味料なくさないでくれよ」


「ははは、魔狼たる我を”守る”とは、主はそういう人間だったな」


「はいレーナ様、このテスラ14世、命に変えましても調味料を守りますぞ」


そんなとりとめのない会話をしながら進んでいく一行、ほどなくしてレーナが強大なマナの接近を感知する。


「おっと、早速出迎えがやってきたようだぞ」


「あれが、ドラゴンですか、、、、」


やがて上空より、巨大なドラゴンが姿を現した。そのウロコは水色に輝いている。


『そこな下賤なる者どもよ、ここは我らがドラゴンの住まう地と知っての狼藉か、おとなしくここから去ねいっ!』


ビンビンに強力な威圧を込めて告げるドラゴンに、ルーディやテスラ14世も思わずたじろいでしまう。しかし、

レーナはそれを意にも介さず言葉を返す。


「まずは約定なくこの地に足を踏み入れたこと、お詫びしよう。私はプリエール王国王都直轄騎士団所属、

レーナと申す者だ。この山脈に住まうと言い伝えられている神竜殿にお会いするためにやってきたのだ。

失礼だが、そなたが神竜殿なのか」


『我は空竜のエアだ。人族が神竜様に何の用だ。魔王退治の助力でも乞いにきたのか』


「いや、魔王ならすでに倒したぞ。本当ならその首手土産にする予定だったのだが、あまりにも弱すぎてな、

手ぶらで訪れたこと許してほしい」


魔王を弱いと言い切るレーナに、一瞬驚きの表情を見せる空竜エア、彼女の言葉に嘘偽りは感じられ

なかったからだ。


『レーナとやら、人族にしてはかなりやるようだな、一体神竜様に何の用があるのだ。もし、害を加えようと

するのなら容赦はせぬぞ』


「ああ、別にケンカを売りにきたのではない。神竜殿に頼みごとがあるのだ」


レーナの返答にエアは首をひねる。魔王退治でなければ一体何を頼むつもりなのかと。しかし、彼女の次

の言葉は彼の怒りに火を点けるには十分過ぎるほどだった。


「私は竜騎士になるのが夢でな。神竜殿と魂の盟約を交わし、騎竜になってほしいと頼みにきたのだ」


『人族ごときが神竜様を馬代わりにするだと、、、小娘が、八つ裂きにされたいかっ!』


「エアとやら、そなたの答えは求めてはおらぬ、さあ、さっさと神竜様のところに案内せぬか」


『人族ごときがっ、ナメるのも大概にしろっ!』


空竜エアの怒りのブレスがレーナを襲う。しかしレーナは日本刀、、、ではなく普通の剣でそのブレスを

真っ二つにたたっ斬る。


「ほう、さすがに魔王とは違うな。素手では防ぎきれなかったぞ」


『大口を叩くだけのことはあるな、、、だが、貴様のような不遜な輩、神竜様に近づける訳にはいかぬ!

ここで果てるがよいわっ!』


ブレスを防いだレーナに驚くエア、だが、これで彼からレーナを侮る感情は消え失せた。エアは全力で

彼女を葬る決意をしたのであった。


『我が一族よ、神竜様に無礼を働く不遜な輩に罰を与えるため、合力せよっ!』


エアの言葉に呼応するように、3体のドラゴンがレーナの前に姿を現した。


『おいおいエアよ、何事かと思えば相手は脆弱な人族の小娘じゃないか』


黒のウロコに覆われる地竜アース


『あら、エアちゃんこんな小娘に苦戦しちゃってるの』


群青のウロコに覆われる水竜アクア


『ヒャッハアアアアア! 小娘だろうが全力でいくぜえええええっ!』


真紅のウロコに覆われる火竜フレイム


一体でも一国を滅ぼすことのできる強大な力を誇るドラゴン、それが四体も集まることなどめったにない

ことだ。しかも、相手は人族の女性一人である。ツーロンの歴史始まって以来の珍、、、いや出来事が

起きようとしていた。


『これが最後の慈悲だ。今引き返すのならばこれまでの無礼には目をつぶってやるぞ』


「やれやれ、、、、やはり素直には通してくれぬようだな。私が用があるのは神竜殿だけなんだがな」


言外に、”お前ら雑魚は引っ込んでろ”と滲ませるレーナに、ドラゴンたちの目の色が変わる。


『私たちもなめられたものね、、、まさか人族にこんな侮辱を受けるとは、、、、』


『よし、骨も残らず溶かしてやるぞおおおおおっ!』


火竜フレイムからマグマのようなブレスが吐き出される。かつて彼にちょっかいをかけた軍事大国を一日

で滅ぼした必殺技だ。


「ふんぬっ!」


「何、オレのブレスを斬り裂いただと!」


だが、気合一閃とともにそれはレーナの剣に斬り裂かれる。驚くフレイムに彼女は間合いを詰めて斬り

かかった。


”ガキンッ!”


レーナの一撃はフレイムの強靭なウロコにはじかれ、根本から折れてしまう。それを見たフレイムは少し

ほっとした表情だ。


『おっと、このオレに剣を当てるとはなかなかやるな。だが、もうその剣は使えねえぞ!』


「ふむ、、、さすがに普通の剣では通じぬか」


しかしレーナは動じることなく、日本刀を顕現させる。それを見たフレイムは笑みを浮かべた。


『なんだあ、そんな細い剣でこのオレを斬れると思ったか』


『フレイムよ油断するな! あの剣は普通じゃないぞ!』


見かけだけで脆弱な剣と判断したフレイムに対し、地竜アースは日本刀の本質を見抜いていた。あれは、

ただ斬るためだけに存在している剣なのだと・・・・


『アースよ、何あんな細い剣に怯えて、、、ぐうっ!』


完全にナメきった態度のフレイムに、レーナは再び間合いを詰め日本刀の一撃を喰らわす。かろうじて

致命傷は避けたものの、あの強靭なウロコが斬り裂かれ鮮血が飛び散った。


『よくもフレイムを、ぐあっ!』


上空から襲いかかるエアに対して、レーナはファイヤアローを放つ。スティンガー対空ミサイル並みの威力

を持つその攻撃は、エアにもかなりのダメージを与えたのだ。彼は何とか体勢を立て直して墜落を免れた。


「さすが我が主だ、あのドラゴンどもと対等に戦うとは」


「レーナ様のこの雄姿、ぜひ副会長たちにもお伝えせねばなりませんな」


規格外のレーナの戦闘能力に感嘆するルーディとテスラ14世、そしてレーナは四体のドラゴンを前にして、

不敵な笑みを浮かべる。


「さあ、本気でかかってくるが良い、しばし死合いを楽しもうではないか」


レーナとドラゴン達との死闘が、幕を開けた。


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