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第40話 令嬢、暗黒神復活を阻止する


「そんなバカなっ! レーナ様の剣が通用しないなんて!」


「ポーラさん、アレはまあ、言ってみれば霧を相手にしているようなものですからねえ。レーナお姉さまとは

一番相性の悪い相手なのですわ」


「会長、それでは一体どうすれば・・・・」


「まあ、レーナお姉さまなら何とかするでしょう。問題は他の兵の方々ですわ」


エリスの言う通り、レーナ始め猛特訓を積んできたプリエール王国の面々は、まだレイス達の攻撃を跳ね

返していたが、それ以外の国の兵たちには疲れが見えてきたのだ。


「あの手の霊体には、強力なマナエネルギーをぶつければ雲散霧消するはずなんですが・・・・」


エリスの言葉が通じたのか、レーナは通常の剣を使うのを止めて、日本刀を顕現させる。


「そうですレーナお姉さま、このままマナエネルギーを、、、て、あれ、ええっ!」


「どおりゃあああああああああっ!」


”ヒキイイイイイイイッ!”


てっきり先ほどの魔獣軍団相手のように、マナエネルギーをぶつけるかと思ったエリスの予想は見事に

はずれてしまった。レーナはこれまでの数倍の速度で日本刀をレイスに叩きこむ。それを受けたレイスは

断末魔を残して雲散霧消してしまったのであった・・・・


「ふむ、思った通りだな。剣が通らなければ、より強い剣を叩きつければこいつらは消し飛ぶぞ!」


「おうっ! 本当だ、一発で消し飛んだぞ」


「よしっ! 全員これまでの特訓の成果、レイスどもに味わわせてやれっ!」


レーナの言葉にルミダスやベッカーも応え、全力の剣でレイスを屠っていく。もちろん例の残念なアラサーも


「は~い、あの世にお戻りなさいね~」


全力の雷撃を喰らわせ、レイスを消滅させていた。物理が通用しなければそれ以上の物理で攻撃する。

真の脳筋軍団がそこにはあった。


「さすがレーナ様ですわ。レイスどもの弱点をすぐに見破るなんて!」


「会長、次の会報の記事はこれで決まりですわね!」


「う、うん、そうね、はは、、、レーナお姉さま、そういう性格でしたもんね、、、、」


大興奮で賛辞を贈るポーラ達をよそに、エリスは遠い目でそう呟くのであった・・・・


「くそうっ! こいつら斬っても斬っても手ごたえがないぞ!」


「隊列を崩すな! 押しとどめろ!」


だが、そんな力技が可能なのはレーナ達くらいのものであった。徐々に疲れの見え始めた他国の部隊は

レイス達に押し込まれていく。そして、とうとう教皇レノンのいる本陣を守る、神聖騎士団の防衛ラインが

破られてしまった。


「きょ、教皇猊下、早くここから退避してください!」


ゼノアが叫ぶが時すでに遅し、レイスの群れはレノンに迫っていく。しかし、、、、


「あれ、レイスどもが急に止まったぞ?」


「一体どうしたんだ」


訝しげなゼノア達、レイスは急ブレーキでもかけたかのように、本陣の直前でストップしてしまったのだ。

しかも、何だか怯えているようにも見えた。


「うふ、うふふふふふ、低級霊ごときがこの私を倒そうなぞ、身の程知らずもいいところね」


そう不気味に笑うレノン、その口角は妖しく弧を描いている。そして、両手を広げた彼女からは、真っ黒な

もやが顕現する。


”ヒイイイイイイッ!”


”キャアアアアアアッ!”


そのもやは触手のように変化し、逃げ出そうとするレイス達を次々と捕えてゆく。


「低級霊どもよ、偉大なる暗黒神復活の(かて)となるがよいわ!」


そのもやは捕えたレイスをまるで捕食しているかのように、飲み込んでいった。そして、全てのレイスが

消滅したにもかかわらず黒いもやは増殖を止めることはない。世界を浸食するかのように・・・・


「あーはっはっはっ! さあ暗黒の瘴気よ、世界を覆い尽くせ! 永久(とこしえ)の闇をもたらす、、、ぶべし!」


レノンの言葉は続かなかった。なぜなら、レーナの放ったマナエネルギーが直撃したからだ。


「ふう、間に合ったか、、、、」


「き、騎士レーナ、教皇猊下に一体何と言うことを!」


「ゼノア枢機卿殿、心配はいりません。これくらいであやつはくたばりませんよ」


レーナの言葉通り、煙が納まるとその中から煤けたレノンが姿を現した。


「う、う~ん、、、私は一体何を、、、、」


「そなた、危うく世界を滅ぼすところだったのだぞ、、、エリス、浄化の術式をかけてやれ」


「はい、レーナお姉さま」


エリスが浄化の術式を展開すると、わずかに残っていた暗黒の瘴気の残滓もたちまち消えていった。


「聖女様、教皇猊下に一体何が起こったのでしょうか」


「ゼノア枢機卿様、レノンお姉さまの”聖気”によりレイスは浄化されたのです。そういうことにしておきましょう」


「エリスの言う通りです。世界の平穏のためにも、暗黒うんちゃらは気のせいだと思いましょう」


「はは、ははは、、、聖女様、騎士レーナ、その通りですな。うん、これは女神ルーシャス様の加護を受けた

猊下の奇跡でございますぞ」


ゼノアの言葉にレーナやエリスも作り笑いでウンウンとうなづいた。この事は”女神ルーシャス様の加護を

受けた教皇レノンの奇跡の御業により、邪悪なレイスは一掃され連合軍は危機を脱した”と、公式記録

に残されることになる。こうして、暗黒神うんたらかんたらは歴史の闇に葬られることとなったのであった。


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