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第39話 令嬢、死霊軍団に苦戦する


「ふ、ふおおおおおおっ!」


「なに、この可愛い生き物はっ!」


いきなり現れた子パンダに、レーナとレノンは目を血走らさせ、大興奮MAX状態に陥ってしまった。


「猊下、お気を付けください! 擬態しているのかもしれませんぞ!」


そんな彼女たちにゼノア枢機卿は冷静に注意し、子パンダの周囲を兵で固めさせる。


「さあ、今の内に止めを刺せっ!」


「「やめんかああああああっ!」」


ゼノアの無慈悲な命令に、レーナとレノンのハモッた悲鳴が響き渡る。


「しかし猊下、容姿は可愛くとも元はあの”獣王”ですぞ。早く倒さねばどんな災いを招くか、、、」


「だから、可愛いは正義なのよっ!」


どーみてもゼノアの方が正論なのだが、レノンは言うことを聞かない。訳の分からない理論を振りかざして

わめく様は、まるでどこぞの世界の”恨”の国のようだ。


「えー、、、ゼノア枢機卿様、もうこの子からは邪悪なマナは感じられませんよ。この子はただの無害な

生き物です」


「えっ、聖女様それは本当なのですか」


「はい、何らかの理由でマナが全て抜けてしまったようですね」


その後、残りの魔獣を始末したスタックが調べたところ、


「う~ん、どうも猊下とレーナちゃんにいかされたショックで、マナが抜けちゃったようですね」


との結論に至った。


「いや~、これでようやく夢がかなうわね。ねえレーナ、この子の名前何にする、デルザーなんて可愛く

ないでしょ」


「そうだな、やはり”シァンシァン”がいいと思うのだが」


「何だか微妙な名前だけど、、、、まあいいわ、今日からあなたは”シァンシァン”よ」


レーナとレノンは満面の笑みを浮かべて、獣王デルザー改めシァンシァンを代わる代わる思う存分もふった

のである。シァンシァンの方も気持ち良さそうに彼女たちの成すがままにされている。こうして、魔王四天王

だった彼は、レーナたちのペットとして新たな人生、、、いやパンダ生を歩み始めたのであった・・・・


「バルダック様、獣王デルザーが人族の連合軍に敗北いたしました」


「なにいっ!」


一方、魔王城では魔王バルダックがセバスよりデルザー敗北の報を知らされ、玉座から立ち上がる。


「はい、地獄の番犬ケルベロスは教皇レノンと騎士レーナに敗れ、デルザーも囚われの身となった次第に

ございます」


本当はレーナ達のペットにされてしまったのだが、さすがのセバスも正直に報告するのは躊躇ったとみえ、

オブラートに包んで話していた。


「そうか、そのレーナとやら口先だけではないようだな。教皇レノンもケルベロスを倒すとは、油断ならぬ

相手のようだ」


バルダックは玉座に腰を降ろし思案する。四天王の内2人が敗れたことで、人族を下等生物などと侮って

はいけない相手と認識したのだ。


「バルダック様、彼らの相手はこの私めにお任せを」


「む、メドゥーサか、、、、何か手はあるのか」


四天王の1人メドゥーサ、顔立ちは絶世の美女だがその髪の毛はうねうねと蠢く蛇である。そして、相手を

石化させる能力を持つ恐るべき魔族だ。


「はい、相手はデルザーのような力押しには大変相性が良いようです。しかし、私の軍団には通用しない

でしょう」


「ふむ、それも一理あるな、、、よしメドゥーサよ、今度こそ我に勝利の報を届けて見せよ!」


「御意に」


バルダックの命を受けたメドゥーサは、配下の騎士に指示を出す。


「リークよ、そなたは死霊軍団を率いて連合軍を迎撃しろ。失敗は許されん、いいな」


「ははっ」


そう返事を返すリークには首がない。その首は右手に抱えられている。彼はヂュラハンと呼ばれる魔族

だった。魔獣軍団を撃破して意気上がるレーナ達の前に、息つく間も無く魔王軍の攻勢が仕掛けられる。


「ようし、今夜はここで野営だ。明日はいよいよ魔王城だ。各自油断するな、以上!」


その後も散発的に襲いかかるオーガやトロールなどの魔物を難なく撃退し、連合軍はいよいよ魔界の

中心部に足を踏み入れていた。簡単な夕食を終え、休みつこうとしていた頃、スタックから警戒の魔信が

全軍に知らされた。


『多数のマナを感知! 何んなのこれ、すごいおぞましいマナだわ!』


やがて現れたのは、


”クケケケケ”


”キキキキキキッ”


「あ、あれはレイスだっ! 死霊の群れだぞ!」


「火銃隊、攻撃しろ!」


しかし、銃弾はレイスの体を通り抜けてしまい、何の打撃も与えることができなかった。


「なっ、火銃が通用しないだと!」


そうこうしている間にも、レイスの群れは連合軍に襲いかかる。


「死霊どもが、おとなしく冥府へと還るがよいぞ!」


レーナの剣がレイスを一刀両断にする、、、はずだった。彼女の剣はむなしくレイスを通り抜けただけだった。

霊体である彼らには、物理的な攻撃は一切通用しなかったのである。


”キキキキキキ”


「くっ、おのれっ!」


逆にレイスの振りかざす鎌や剣は、こちらには十分ダメージを与えることができる。物理に特化したレーナ

には最も相性の悪い相手だった。これまで順調に進軍してきた連合軍に、初めての危機が訪れたので

あった。


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