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第28話 令嬢、襲撃される


「ところで騎士レーナ、私は君ともぜひ話をしたいと思っていたところなんだよ」


「私に、何用でございますか」


「どうかね、我がラングレー王国に仕えてみる気はないかね」


国王ダミド自らのヘッドハンティングに、当人は元よりクレイも驚きに目を見開いてしまう。だが、彼の隣り

にいるハレス軍務卿も同様に引き抜きをかけてきた。


「陛下のおっしゃる通り、我々は君の能力を高く評価している。プリエール王国とは違い我が国は完全な

実力主義だ。もし君が来てくれるのなら、第一師団長のイスを約束しよう」


”ふうん、、、手痛い目に遭わされたレーナを引き抜こうとするなんて、この人、まるで織田信長みたいな

性格なのね”


レノンはダミドへの評価を上方修正した。敵だろうが優秀ならヘッドハンティングをかける彼のことを、相当

なやり手と判断したのだった。


「そ、そんな、、、父を始め第一師団はこいつのおかげで、大被害を被ったのですよ!」


そう反論したのはクレイだった。だが、そんな彼をダミドやハレスは冷たい目で睨みつける。レーナも額に

手をあてて”はあ、、、”とため息をついていた。国王や軍のトップの意見に対して、単なる護衛が異議を

唱えることなどあってはならないことだからだ。


「お話しはありがたいのですが、自分は余計なしがらみなど増やしたくはありませんので、失礼ながら

お断りさせていただきますよ」


「そうかね、しかし、今とは比べ物にならない報酬も用意しているのだがな、、、、」


「それよりも、そこの”腑抜け”を鍛え直した方が良いのではありませんか」


レーナはそう言い放ってクレイに視線を向ける。


「なっ! この自分が腑抜けだ、、、うっ、、、」


反論しようとしたクレイはレーナの気を受けて押し黙ってしまう。ダミドやハレスもやれやれといった表情だ。


「この程度で気圧されるから、腑抜けだと言うのだ。私が貴殿の立場なら、口で言う前に剣を抜いて首を

獲りに行っているぞ!」


「うう、、、、」


他国の騎士に説教され、泣きそうになっているクレイのことを情けない顔で見ていたダミドであったが、

ふと脳内にあるアイデアが閃いたのであった。


「騎士レーナ、どうかな、このクレイを君の元で鍛えてもらえることはできないかな。もちろん、貴国の了承

が得られればの話であるが」


「国の許可があれば、自分はかまいませんが」


今度はあっさり了承したレーナに、ダミドやハレスもいささか拍子抜けの様相だ。


「本当にいいのかね、、、自分を仇と狙う相手を強くして欲しい、と言っているのだぞ」


「別にかまいません。今のこやつの腕では自分の首どころか、腰が引けて剣さえ抜けぬ有様ですからな。

イレム殿の代わりにしっかり鍛えて差し上げましょう」


これに抗議しようとしたクレイであったが、ダミドやハレスはもちろんレーナにまで睨まれて俯いてしまう。

後でプリエール王国側も了承し、こうして彼は強制的にレーナの舎弟にされてしまったのである・・・・


「陛下、良いのですか。ラングレー王国の者を騎士団に受け入れるなぞ、、、、」


「まあ、レーナ嬢が引き抜かれるよりはマシじゃろう、、、、しかし、自分の仇を鍛えてやるとは、ずいぶん

お人好しではあるな」


「なんでも、イレムを越えろなどと叱咤していたらしいですが、、、、」


ダミドから直接クレイの騎士団留学要請を受けたカルスとブラッドは、それを了承した後お互い”はあ”と

ため息をついていた。


「しかし、次から次へと色々やってくれるのう、、、次は何をやらかすことやら、、、、」


「陛下、縁起でもないことをおっしゃ、、、ん、スタック部隊長から緊急の魔信が、、、」


その時、周囲を警戒していたスタックから、プリエール王国の関係者に一斉に緊急の連絡が入った。


『邪悪なマナの気配を探知、全部隊警戒体勢に入れ!』


「むっ、何か悪意のある者が近づいておるぞ!」


同時にレーナもその気配に気づき、レノンやエリスに警戒するよう呼びかけた。その直後、王城の天井近く

にあるステンドグラスが破られ、異形の軍勢が攻め入ってきたのである。


「グゲエエエエエエっ!」


「な、なんだこいつらは!」


それは背中に羽をはやした漆黒の異形、頭には角があり、口は耳元近くまで裂けている。物語に出てくる

悪魔のような生物であった。


「あれは、伝説に残る魔人兵にそっくりだぞ!」


「まさか、あの魔王の配下と伝えられる魔人兵なのか!」


「おお、、、とうとう魔王が復活したというのか。女神ルーシャス様、どうか我らをお救いください、、、、」


異形の軍勢は魔王の影に恐れおののく者達へ、一斉に襲いかかった。もちろんレーナ達のところにも、

ついにレーナは魔王の軍勢と、初の戦いを迎えることになったのだ。


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