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第24話 令嬢、教皇とご対面する


”なあに心配するなエリス、魔王戦でそなたらの出番はないぞ。なぜなら、自分が魔王の首を獲りに行く

からな。そのためにここで鍛錬を続けているのだ”


「と、その時、レーナお姉さまは震える私を安心させるかのように、力強くおっしゃられたのです」


「ありがとうございます会長、良いエピソードがお聞きできましたわ」


対魔王同盟会議を明後日に控えたプリエール王国、王城の一室では聖女エリスとポーラ始め名だたる

名家のご令嬢たちが集まっていた。ポーラはエリスの話を一字一句漏らさずにメモをとっている。会報の

記事にするためだ。


「それから、テオドル辺境伯争乱でのレーナ様のご活躍ぶりですが、、、、」


「ポーラさん、それならベッカー団長やスタック部隊長から余さず聞き取っておりますわ。こちらにまとめて

ありますから、記事の方はお願いいたしますね」


「さすが会長です。これからもよろしくお願いいたしますわ」


ドヤ顔のエリスにポーラ達は頭を下げる。彼女たちは”レーナ様を讃える会”という私設ファンクラブ用の

会報の記事を編集するため、集まっているのだった。エリスはレーナと最も親しい間柄ということで、会長

の座にちゃっかり納まっていたのである。


「ところで明日は、教皇猊下がお見えになるそうですね」


「ええ、私もレーナお姉さまと一緒に出迎える予定ですよ」


「何でも、猊下はとても神秘的な美貌のお方だとか、きっとレーナ様と並ばれたら、眼福ものでしょうね」


「はい、またいい記事ができそうですわ。皆さんもあらゆる角度からこの歴史的瞬間を逃さぬよう、しっかり

見ていてくださいね」


「「「「「はい、会長」」」」」


教皇レノンご一行様のお出迎えには、ポーラ達高位貴族のご令嬢も参加することになっている。彼女達は

明日のレーナの晴れ姿を想像して、うっとりとした表情になっているのだった。


「副会長、レーナ様がお見えになられましたわよ」


「ああ、、、何て凛々しいお姿なの、もう(わたくし)いってしまいそうですわ、、、、」


翌日の王城前広場、聖女エリスの護衛として現れたレーナの姿を見て、ポーラ達は悶絶してしまった。

レーナが鎧ではなくナポレオン時代のようなきらびやかな軍服を着用していたからだ。それは正に大人気

を誇るフランス革命を舞台にした某マンガの主人公のようであったのだ。


「でも、会長のお姿も神々しいですわよ」


「しかも、お可愛らしさも全く損なわれておりませんわね。ああ、、この手で抱きしめたいですわ」


レーナの横にいるエリスは古代ギリシャの巫女のような服装をしている。これが聖女の正装なんだそうだ。

ご令嬢たちはエリスにもハアハアし始めた。危ない世界に足を踏み入れつつある兆候だ。


「ねえ、レーナお姉さま、、、なんで私達、こんなコスプレしなくちゃいけないんでしょうか。今度から聖女の

正装はジャージにいたしますわ、、、、」


「エリスよ我慢しろ、私も前世の文化祭思い出してなんかむずがゆい気分だぞ、、、、」


一方、当の二人はどうにも居心地が悪いような感じであった。そうこうしている内に教皇レノンを乗せた

馬車が王城前に到着した。まず教皇の腹心でもあるゼノア枢機卿が姿を現した。続いて、教皇レノンが

降りてくる。出迎えた面々はその神聖さを感じさせる美貌に、レーナに心酔しているポーラ達でさえも

思わず息を飲んでしまう。


「あの御方が、レノン教皇猊下、、、、」


「見ていると、まるで吸い込まれそうなお姿ですわ、、、、」


ご令嬢たちだけでなく、初めて顔を合わせる国王カルスやリシューでさえも、レノンに見とれてしまった。


「あの漆黒の瞳、何もかもを見通す神の目のようですね」


「うむ、噂には聞いていたが、これほどとは、、、、」


そう、レノンはこの世界では見かけない”黒目黒髪”の容貌であったのだ。普通なら異端者扱いされる

ところなのだが、生まれついてのカリスマ性からか、それが逆に彼女の神秘性を高める方向に向いて

いったのである。


「レーナお姉さま、あの方が教皇猊下、、、」


「ああ、今自分は夢でも見てるのではないかと思っているところだ、、、」


一方、レノンを見たレーナとエリスもなぜか硬直してしまっている。そんな事には気づかず、レノンはゼノア

枢機卿に促され、エリスの方へ挨拶に赴いた。


「教皇猊下、こちらの御方が当代の聖女であらせられる、エリス様でございます」


「初めましてエリス様、お会いできるのを楽しみにしていたのですよ」


そう慈愛の微笑みを添えてエリスに挨拶する教皇レノン、だが、エリスやその横にいる護衛のレーナも

強張ったままだ。レノンも訝しげな表情をした時、エリスから意外な言葉が飛び出してきた。


「まさか、”アヤお姉さま”なんですか、、、、」


「えっ、、、、」


レノンのルックスは、エリスが前世よーく知っている人物に酷似、、、いや、完全に同一人物だったのだ。


「うっ、ううっ! なにこれえっ!」


「教皇猊下! どうなされたのですかっ!」


エリスの言葉を聞いたレノンは、突然頭を抱えて苦しみ出してしまう。ゼノア達も慌てて彼女を介抱する。


「早く! 早く教皇猊下をお運びしろっ!」


「治癒術師を呼べえっ!」


大騒ぎになる王城前広場、そんな中レーナとエリスは呆然として立ち尽くすのであった・・・・


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