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おっぱいを好きなのは、男の子だけじゃありませんっ!  作者: 或木あんたす
第1章「おっぱい教徒の日常は、普通のラブコメじゃありませんっ」
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第7話 カン違いです、おっぱい様



わけが分からず、僕はポカンとする。


「いや、……何、言ってるんですか??」


 しかし。


 僕のその反応に、「なッ」と宮歌さんは何を思ったのか、


「こんなのじゃ、まだまだ全然足りないと言うのですかあなたは! あなたという人はッ!」


 よくわからないことを言って両手を床につき、……土下座を……って、


「いやいやいや! 何してんすか宮歌さん!? やめてください!!」


「離してくださいッ! 今あなたに私なりの、誠意ってヤツをお見せしますからッ!」


「いや得体の知れない異性からの土下座とか、ただひたすらに怖いだけですから!! 誠意とか微塵も感じませんから!! 頼むからやめてくださいお願いだから!!」




 両肩へ手をやって、半ば強引に床から引きはがす。


 宮歌さんは煌びやかな金髪を振り乱して僕を睨み、「くぅ」と悔し気な声を漏らす。……なんでだよ。


「……一体どういうことなんですか。……宮歌さんに、その、……謝る理由はあっても、謝られる理由はないと思うんですがッ」


 困惑のままにそれを言葉にして伝えると、


「え」


「え?」


「え、ええええええ!!??」


 負けないくらいに相手が混乱した。


「そ、それは与えた損害が大きすぎるあまり、一般的な謝罪など聞く理由すらない、みたいな一周まわった謝罪の要求ですかッ!?」


「何だそのめんどくさい要求ッ!? 違いますよ! むしろ謝るべきなのは僕の方なのでは、ってことです!」


「それこそワケがわかりません! どうしてあなたが私に謝るんですか! やはりこれも一周まわった何か別の……」


「周ってないんで! 一ミリたりとも動いてない直球なんで! ……は、まさか逆ッ!? 今宮歌さんがしていることこそが、逆に僕への一周まわった謝罪の要求ってこと!? それならすべての辻褄が……」


「……あ、いえ、それはないです」


「ないの!? 発想の転換からの真相解明じゃないの!? てか自分からこのくだり引っ張ったくせに、ばっさりなの!?解釈が何周にもわたって周ってたんじゃないの!?」


「ワケわかりません。……何、言ってるんですか?」


キョトンとする彼女に、僕は「ぐうう」と可愛くない動物のような声を出す。


(……このままじゃ埒があかない)


 ついに諦めた僕は、直接きいてみることにしました。




「じゃ、じゃあ、仮にですよ、仮に。宮歌さんのその主張が、そのままの意味だとして、……君は一体、僕に何を謝ってるんですか?」


 


 その質問に、彼女はまたしても「な、」と憤った顔を見せる。




「勘違いしないでくださいッ! 別にあなたに謝ってるわけじゃありません!!」


「ええー? いや、もうホント何言って……」


 僕がいよいよ呆れかけた時、目の前の金髪転校生は、その僕の様子が心底心外だったらしく。


「も、もとはといえば!」と。


 彼女は一歩前にでて、僕を指さし、




「あ、あなたが謝れって言ったんじゃないですか!」




 そして再び薄い唇をそっと動かす。




「……お」




 ……お? 


 続けて発音された言葉は、聞きまちがいのないほど明瞭に言われたその言葉は。


 彼女の整った顔からは、とても想像できないような七文字でした。




「――おっぱい様にッ!!!」




 


 ……。




「ええええええええええええええええええーーーーーーッ!!??」






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